HIKAKINら所属のUUUMが上場廃止見通し 現筆頭株主フリークアウトのTOBで完全子会社化へ
YouTuber等のタレントマネジメントを行うUUUM株式会社は14日、現支配株主である株式会社フリークアウト・ホールディングスによる同社株式の公開買付け(TOB)に賛同の意見を表明し、株主に対して応募を推奨することを決議した。将来的に同社はフリークアウトの完全子会社となり、東証グロース市場から上場廃止となる見通し。 【画像】所属タレントの再生数は横ばいもマネタイズ難しい「ショート動画」の比率が上がっている。今後の両社協力による成長イメージなど 公開買付者であるフリークアウト社はインターネット広告の配信システムの提供やマーケティング事業を展開しているほか、現在もUUUM株式の50.97%を保有しており、同社の実質的な経営権を持つ。買付価格は14日の終値365円を上回る532円となり、期間は年内までと指定している。 UUUMは本発表の同日、2024年9月期の連結業績を発表。売上高は275億8,900万円、営業利益は3億2,400万円、経常利益は5億5,400万円となった。決算期変更に伴い前期比較は行っていないが、前回開示の2024年5月期の第4四半期では、四半期連結での営業利益が黒字に回復していた。 YouTuberのマネジメント企業としてヒカキンさんやはじめしゃちょーさんらが所属する同社だが、これまで好調だったクリエイターへのアドセンス(Google社による広告収益配分)の減収が大きな影響を受けている。広告市況の悪化による単価の減少に加え、収益還元が極めて乏しいYouTubeの縦型動画「ショート」人気の高まりが顕著に反映されており、昨年度にはこれを理由に業績見通しの下方修正を行っていた。 一方の収益面では、業務フローの効率化や人的資源の最適化、依然手掛けていたゲーム事業の撤退など、構造改革が順調に進捗したことで改善し、黒字回復していた。今後はアドセンスを中心としつつも、クリエイターと広告主双方でプラットフォームを提供し、回復に努める。
編集部 経済・社会担当