大日本印刷Web担当者の「社内評価を大幅アップ」させた“サイトリニューアル成功”の全貌!
確かに、アクセス解析用のGAタグ(Google アナリティクスのタグ)がどのように入っているかというと、トップページには当然ついているが、「製品・サービス」「情報コミュニケーション」「生活・産業」の各ページにもタグが入っていて、合計4つもある。各事業部が自分たちのページのアクセス状況を見たいために、このような状況になってしまったようだが、1つのサイトにアクセスデータを蓄積するボックスが4つある状態だ。
このままであれば、たとえばトップページから「製品・サービス」のボタンをクリックして遷移すると、トップページから離脱したというデータになってしまう。セッションが細切れになり、サイト内の一連のユーザー行動が解析できない状況だった。 ■ 目標がなく、Web担当者が評価されない ユーザー行動がわからないのだから、目標を立てることもできない。目標がないということは、達成したかどうかの判断もできないため、評価もされない。おまけに主管部門はコンテンツの更新で手一杯で、課題解決のためにリニューアルしようという機運も生まれていなかった。かなり困った状況だったわけだ。 ■ 田口氏の考えた解決策 これを解決するために、田口氏は以下の2つに取り組んだ。 ・Webガバナンスでの役割定義 ・大規模リニューアル
Webガバナンスでの役割定義
まず、解析タグの大掃除をして、きちんとした解析レポートをつくった。それを見ると、予想どおりアクセス数は少ないので、リニューアルプロジェクトを立ち上げた。そしてリニューアル後の運営のための体制をつくる必要があるので、最初に組織ごとの役割分担とWebガバナンスの制定を行った。
2015年当時のDNPサイトの運用体制は、以下のようになっていた。
主管部門として、総務、経理、CC本部、IR、広報部といった本社のコーポレート部門と、全部で10の事業部門がある。それぞれがコンテンツの更新を担当し、更新で手一杯の状態だった。田口氏が所属しているのは制作部門だが、当時はCMSの使い方の質問しかこなかったという。