【CBC賞】ピューロマジックは中京替わりがカギ データで注目はアネゴハダ、ドロップオブライト
3歳不振
例年、サマースプリントシリーズの序盤に位置するCBC賞だが、今年は小倉の北九州記念と入れ替わる形になり夏競馬後半に行われる。サマースプリントシリーズでは函館SS、北九州記念、アイビスSDに続く第4戦目。5戦目のキーンランドCを挟んで最終戦セントウルSへつなぐ重要な役割を担う。 【関屋記念2024 推奨馬】持ちタイムはメンバー最速タイ、マイルは安定感◎! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 舞台は変わらないが、施行時期のズレにより、CBC賞過去10年データは特にローテーション面では使っても意味がない。そこで、ここでは中京芝1200m、2014~2024年春開催まで古馬オープン以上の29レースを使用し、コース傾向から探っていく。 1番人気は【6-4-3-16】勝率20.7%、複勝率44.8%と目安の3割には届かないが、2番人気【7-6-4-12】勝率24.1%、複勝率58.6%まで含めると、そこまで上位人気は悪くない。4番人気までで29レース中22勝なので、上位陣は概ね堅い。 狂いがあるとすれば、2、3着だろう。10番人気以下【1-4-7-211】勝率0.4%、複勝率5.4%など、3連系に挑む場合、人気薄のケアは欠かせない。高松宮記念のイメージに近い。 3歳はデータ期間が6~12月と狭いとはいえ、【0-1-0-12】複勝率7.7%は不振といえよう。斤量差を生かせるスピード勝負ではあるものの、急坂があり、そこからゴールまで200mと長い中京では底力も問われる。平坦コースの重賞で好成績を収めるピューロマジックは中京の壁を突破できるだろうか。 古馬勢は素直に年齢順でよく、4歳【9-6-4-68】勝率10.3%、複勝率21.8%、5歳【12-10-9-101】勝率9.1%、複勝率23.5%が引っ張る。6歳は【5-9-13-105】勝率3.8%、複勝率20.5%と2、3着が多い。3連系の穴として6歳は注意で、複勝回収率は140%と高い。
前走1400mで差した馬は◯
上記ピューロマジックが勝った北九州記念から4着カンチェンジュンガ、5着ショウナンハクラクらが駒を進める。サウジ帰りのアグリ、アイビスSD4着ディヴィナシオンらを含め多士済々。人気が割れる激戦が予想される。 前走距離では同距離【18-15-19-250】勝率6.0%、複勝率17.2%と1200m超の短縮【11-14-9-135】勝率6.5%、複勝率20.1%に注目しよう。アイビスSDが当てはまる距離延長は【0-0-1-11】複勝率8.3%。これは開催の巡りも関係していそうだ。春の新潟から夏の中京、夏の新潟から変則日程時の秋の中京、秋の新潟から年明けの中京ぐらいで、12月の中京はオープン以上の1200mは組まれていない。究極のスピードコースから急坂という違いもあるが、ローテ面のチグハグさも隠されている。 前走1200m組は京都【6-2-4-42】勝率11.1%、複勝率22.2%が有効。北九州記念の小倉【0-2-0-24】複勝率7.7%は出走数もそれなりにあるので気をつけたいところだ。やはり右回り平坦から左回り急坂へのコース替わりに対応するのは簡単ではなさそうだ。スピードで押し切ってきたピューロマジックや小倉でオープン入りを決めたレッドヒルシューズなどは過信できない。 距離短縮では1400mが【9-12-7-99】勝率7.1%、複勝率22.0%と好成績。特徴的なのは位置取り別成績だ。前走で逃げた馬【1-2-1-4】勝率12.5%、複勝率50.0%と数こそ多くないが、好走が目立つ。次は先行【4-3-3-34】勝率9.1%、複勝率22.7%だが、中団も【4-5-2-39】勝率8.0%、複勝率22.0%とそん色ない。 1400mで中団から差した馬は距離短縮で狙いづらいものだが、データ上はそこまで嫌わなくていい。むしろ1200mが得意なら狙いたいぐらいだ。該当するのは京王杯SC3着スズハローム、同14着アネゴハダ、パラダイスS10着ドロップオブライト。2走前サンライズSを勝ったアネゴハダ、オープン入りを同舞台で決めたドロップオブライトはおもしろい。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳