元テレ朝アナ・竹内由恵が初書籍―竹内 由恵『なんとかなるさ!ヨシエのとほほ、くすくす日和』
元テレビ朝日アナウンサーで現在は2児の母親、そしてタレントとして活動されている竹内由恵さん。結婚後に移住した静岡での生活は、ちょうどコロナ禍でした。そんな中、日々をポジティブに生きるための取り組みとして、「育児マンガ」の執筆をスタート! どこか『ちびまる子ちゃん』の雰囲気を感じる、ゆる~くのんびりとした絵柄と、日々の喜怒哀楽を赤裸々に綴った文章にはたくさんの反応と共感が集まりました。その作品を集めた1冊『なんとかなるさ!ヨシエのとほほ、くすくす日和』は、竹内さんにとって初めての本。今回は本書から一部を抜粋してご紹介いたします。 ◆結婚、移住、妊娠・出産…人生の岐路における「とほほ」と「くすくす」を綴る 元テレ朝アナ・竹内由恵の初書籍! ◇自作マンガが日々をポジティブに生きる上での支えだった こんにちは! 竹内由恵です。この度、初めての本を出すことになりました。テレビ朝日を退社、結婚、移住、妊娠・出産、子育ての事などを描いたエッセーマンガの本です。 前職を退社して、静岡に移住してから、エッセーマンガをインスタグラムで発信するようになりました。妊娠・出産という人生の節目で、社会活動が思うようにできなくなる中で、育児マンガは私自身が日々をポジティブに生きる上での支えとなり、気づいたら4年間描き続けていました。続けられたのは、私のインスタグラムを見てくださっている方からいただく反響があったからこそだと思います。 「この間のマンガ、めちゃくちゃ共感したよー!」「育児中でこのマンガに励まされました」という声を聞くと、ただただ嬉しくて、「よしっ、また次も頑張ろう!」と思えるのでした。 本の中には、インスタグラムには載っていない描き下ろしマンガを加えて、マンガでは描ききれない細かな感情の機微などを文字エッセーにしてまとめてあります。インスタグラムですでに作品を見てくださっていた方々にも楽しんでいただける内容になっているのではないかなと思っております。 読んでくださった方が、この本の中に一カ所でも強く共感できる所を見つけてくだされば嬉しいな、と個人的には思っています。そして共感できないような部分に関しては、「こんなやつがいるんだな、ははは!」と笑い飛ばしてやってください。 ◇ 30歳を過ぎて芽生えた「子どもっていいな」 30歳を過ぎた頃のある日、道端を歩く親子の姿がふと目に留まりました。小さな子どもと、その子の手を引くお母さん。2人はお互いの顔を見ながら、何か話しているようでした。 それまでもたくさん目にしてきた、ありふれた光景。普段は特に気に留めることもなかった親子の姿ですが、なぜかその時は「なんか、素敵だな。うらやましいな」と思う自分がいました。 今思えばその時、「子どもっていいな」という気持ちがはっきり芽生えたんだと思います。自分にも、あの小さい子どものような存在ができたらいいなって、素直に思えたのです。それまでの自分では考えられないような、思いがけない感情でした。 私の身近には甥っ子、姪っ子といった子どもがいませんでした。しかも、普段の生活は六本木にあるテレビ朝日の周辺ですから、子どもとの接点がとりわけ少なかったのです。当時はとにかく「仕事! 仕事! 仕事!」。それしか目に入っていませんでした。振り返れば、「子どもが欲しい」という感情が自然と湧いてくるような環境ではなかったんですね。 でもあの日以来、あの時に芽生えた思いは、猛スピードで膨らんでいきました。そしていつしか、「子どもが欲しい、家族が欲しい」という気持ちが、お仕事への熱意を上回るようになったのです。 そうなるともう止まらないし、止められない。「今やりたいこと? 結婚することです!!」と、そんな状態になっていました(笑)。恋愛するにしても、結婚前提で相手を探すようになり、30を過ぎてから急激に意識が変わりました。 ◇ お腹の中の子どもに、深刻なお悩み相談 おでこちゃんの妊娠中は、毎日がすっごく幸せでした。「このお腹の中に、もう1 人いるんだな……」と思うだけで嬉しくて嬉しくて、幸せを噛み締めていました。当時はちょうどコロナ禍で、外出はなるべく控えましょうという時期。早めに産休に入って、あとはずっとお腹の中の子どもの成長を楽しみにしていました。 「お腹の中にいる子どもと何かしたい」「早く会話をしたい」という気持ちが強かった私。本を読んであげたり、歌ってあげたり、何か伝わるかも? と思いながら、我が子に対してできる限りのアプローチを試みる毎日でした(笑)。散歩も毎日1 時間くらいしていて、その間はずっとお腹に向かって語りかけていました。こんなことをしてもあんまり意味ないのかも……と思いつつも、何かせずにはいられなかったのです。 東京から静岡に引っ越してから、最初は友達がいなかったこともあり、私自身どこかで孤独を感じていたのかもしれません。そんな状況で妊娠したことで、ひとりぼっちではないというか、自分の友達がずっとそばにいるような安心感が生まれました。 そのせいか、お腹の中の我が子に話しかける内容は「今、お仕事が来るのを待っているんだよ」「どうしたら(お仕事が)来るかね?」といった、到底子どもに話すような内容ではないものばかり(笑)。全然「ママ」っていう感じではなかったです。今思えば、我が子はお腹にいるうちからママの深刻な悩みを相談されちゃって、荷が重かっただろうな……。 【書き手】 竹内由恵(たけうち・よしえ) タレント、元テレビ朝日アナウンサー。現在は静岡県在住。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。大学2年の時にはボクシング部にマネージャーとして入部。2006年にミス慶應グランプリに。08年、テレビ朝日入社。「ミュージックステーション」「やべっちF.C.」など数々の番組で司会をつとめる。Mステ8代目サブ司会として、番組史上最長の5年間を担当。15年には「スーパーJチャンネル」メインキャスターに。 19年3月に一般男性との結婚を発表し、同年末日にテレビ朝日を退社。その後、夫の勤務地である静岡県に移住する。以後は数カ月の専業主婦期間を経て、タレントとして活動を再開。21年に第1子、23年に第2子を出産。自身のインスタグラムでは、独特のゆるいタッチで子育ての様子を描いたマンガを投稿し話題に。『ちびまる子ちゃん』の大ファンで、自宅で焙煎するほどのコーヒー好き。 ▼公式インスタグラム @yoshie0takeuchi 本稿は『なんとかなるさ!ヨシエのとほほ、くすくす日和』(祥伝社)より一部抜粋のうえ作成 [書籍情報]『なんとかなるさ!ヨシエのとほほ、くすくす日和』 著者:竹内 由恵 / 出版社:祥伝社 / 発売日:2024年10月1日 / ISBN:4396618247
祥伝社
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