「結婚しなきゃと思わせてしまう社会の空気を、どこかで入れ替えたい」――「敏感中年」48歳、ふかわりょうの生きる道
もう結局、あの手この手で甘えてるだけなんですよ
こんな女性なら、結婚したいと思える、ふかわの理想の女性像とは。 「私の甘えを全部丸ごと、『かわいげ』と受け止めてくれる女性が、もし、この宇宙にいらっしゃれば。もう結局、あの手この手で甘えてるだけなんですよ。生まれ落ちた時にオギャーと泣き叫んでいた、その手法を変えているだけ。エッセイも全部、オギャーです。このオギャー、見栄や強がりを、全部受け入れてくれる方だったら、結婚するかもしれない」 ひとりで生きる覚悟を孤独の突っ張り棒にしながら、オギャーと叫び続ける。結婚しないかもしれないし、するかもしれない。すべては自由に、成り行きに任せ、漂っていたい。 「早く寝なきゃと思うと、逆に寝付けないことがありますよね。で、もう徹夜でいいやって開き直ると、スーッと眠れたりする。しなきゃという意識は、逆効果ですよね。結婚も同じだと思うんです。結婚しなきゃと思わせてしまう社会の空気を、どこかで入れ替えたい。その一端を担えたら。多様化といいながら、どこか窮屈な今の社会を少しでも快適にできたら。そんな思いで文章を書いています」 かつてはアイスランドに移住して、羊飼いをしながら一人で暮らしてみたいと語っていたが、最近は考えを改めたという。 「やっぱり老後は、病院まで歩いていけて、買い物も便利な場所がいいと思うようになりました。10年後は、横浜の綱島のタワマンで、家族4人暮らしをしているかもしれません」 2年後、50歳になるふかわが見つめるのは、果たしてどんな風景だろうか。 ___ ふかわりょう 1974年、神奈川県横浜市出身。お笑い芸人、文筆家。慶應義塾大学在学中の94年にデビュー。長髪に白いヘアターバン姿で「あるあるネタ」をつぶやく「初心者克服講座」で一世を風靡。現在はTV『バラいろダンディ』MC、『ひるおび!』コメンテイター、ラジオ『阿川佐和子&ふかわりょう 日曜のほとり』パーソナリティーを務める。ROCKETMAN名義で音楽活動も行う。今年11月、エッセイ集『ひとりで生きると決めたんだ』が発売される。