CS崖っぷち…なぜ阪神のエンドランサインが巨人ベンチに読まれたのか…1球のピッチドアウトが生んだ抑止力
完封も含め今季16イニング無失点と対巨人に絶対的な数字を残していた高橋遥に対する巨人打線の攻略法も見事にはまった。2ストライクと追い込まれる前の浅いカウントから仕掛ける積極策を全員が貫いた。しかも、アウトコースの変化球に絞って狙い打った。2点を追加した6回も、二死から坂本が初球のチェンジアップ、一、二塁となってウィーラーも初球のツーシームを仕留めた。 「ベンチの指示を巨人打線は徹底した。逆に言えば、阪神バッテリーが、その傾向をつかみもっと早く対応すべきだった」とは高代氏。 攻守において短期決戦の戦いを知り尽くしている歴戦の原巨人と、CS初出場で経験のない矢野阪神の“野球の深み”の差が浮き彫りになった1戦となった。 巨人が王手をかけ、阪神は崖っぷちに追い込まれた。 今日7日の第二戦に阪神は、最多勝タイトルの青柳、巨人は対阪神に4勝0敗、防御率1.45と相性のいい左腕の高橋を立てる。 高代氏は阪神打線のオーダーの組み直しを提唱する。 「投手力で分のあるホームの阪神が7-3で有利な状況でCSを迎えたが、これで4-6と逆に不利な状況になった。先制点をいかに取るかがポイントになる。近本の足の状態に問題がないのであれば、もう一度、原点に戻り、1番から近本、中野、マルテ、大山の並びで、左腕であっても下位打線にルーキーの佐藤を入れてオーダーを組むべきだろう。そもそも20発トリオがスタメンに名を連ねていないことが疑問。相手に与える迫力とプレッシャーが違う。阪神の奮起に期待したい」 巨人が一気に決めるのか。それとも阪神が逆王手をかけることができるのか。 ちなみに2007年から始まったCSにおいてファーストステージで初戦を落としたチームが巻き返してファイナルステージに進出したケースは、セでは2009年の2位の中日(対ヤクルト)、2017年の3位の横浜DeNA(対阪神)の2例。パでも2017年の3位の楽天(対西武)、2019年の2位のソフトバンク(対楽天)の2例しかない。(文責・論スポ、スポーツタイムズ通信社)