「これまでと違う」日銀・内田副総裁がデフレの原因解消に自信を示した理由
年内の利上げ可能性は引き続き高まっている?
そうした反省から、企業が労働生産性の改善に注力する中、女性や高齢者の追加的な労働投入量が限られていることを踏まえれば、やはり賃金面は「不可逆的」な変化が起きていると思われます。2年連続で飛躍的な上昇を遂げた春闘賃上げ率は、物価上昇率の低下を受けて2025年以降に幾分伸びが縮小すると予想されますが、それ以前の状態に舞い戻る可能性が低下していることは、日銀の認識に大きな影響を与えているものと推察されます。 今回の講演に対する、金融市場の反応は限定的でした。しかしながら、山は着実に動いています。年内の利上げ(新たな政策金利は+0.25%)、来年前半の追加利上げ(同+0.5%)の可能性は引き続き、高まっていると判断しています。
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