日帰りで行ける雪山登山8選~関西・中国エリア~
滋賀県/伊吹山
登山適期1月~2月 歩行時間7時間 総距離約10㎞。 日本海からの季節風をダイレクトに受ける位置にある伊吹山は、ときとして猛吹雪となり、大雪が降ることもあるが、近年は雪が少ない傾向にある。そして、積雪が落ち着いているときには、初級レベルからちょっとステップアップしたい登山者にぴったりのトレーニングができる山。 そのようなコンディションのとき、アイスアックスを使う練習をするのにちょうどいい山なので、「使わなくても行ける」というよりは、「使う体験をしてみる」のにおすすめだ。積雪がさほど多くないときは、登山口からほぼ夏道どおりに登れる。 ただし、降雪量が多いときは雪崩の危険があるので、6合目から上は注意が必要。雪崩リスクの判断が難しい場合には、無理に山頂を目指さずに途中で引き返そう。 下山時、つねに琵琶湖が眼前に眺められるのがこの山の魅力のひとつ。とくに三合目~一合目あたりでトワイライトタイムを迎えると、湖面が金色に輝く絶景に出合える。その際、一合目から下の樹林帯は暗いので、ライトは必携。 <アクセス> JR近江長岡駅、または長浜駅から伊吹山登山口を通るバス便があるが、本数が少ない。登山口周辺にパーキングは多いので、マイカーが便利。 <アドバイス> 大雪が降ったあとや、積雪量が多いときは、上部は雪崩の可能性があるので要注意。先行者の有無やパーティの力量を考慮して的確な行動判断が必要になるので、ビギナーは経験者と同行しよう。自信がなければ途中で引き返すこと。 <ロッジ大阪店・店長/野間治信さん> 昨年末に大阪駅前第4ビルから第2ビルに移転した老舗登山用品店の名物店長。高校山岳部から登山を始め、山に親しむこと30年以上という経験を活かした的確なアドバイスには定評がある。
京都府/愛宕山
登山適期1月~2月 歩行時間5時間 総距離約9㎞。 古くから比叡山と並ぶ信仰の山として敬われてきた愛宕山。山頂に鎮座する愛宕神社は火伏せの神様として知られ、全国に約900社ある愛宕神社の総本社となっている。 地元では、3歳までに登ると一生火難に遭わないという言い伝えがあり、この山でいただく「火迺要慎(ひのようじん)」のお札が台所に貼ってあるのが京都らしさでもある。7月31日夜から8月1日早朝にかけて参拝する「千日詣り」は、一度で千日分のご利益があるとされ、善男善女でにぎわう。 冬は初詣に登る人も多く、登山者的には「雪山」というイメージではないが、標高は924mあるので、じつはそこそこ雪が楽しめる山だ。登山口付近に雪はなくても、途中から積もっていることも多いので、クランポンなどの滑り止めはマスト。 冬の山のキーンと冷えた空気と、雪化粧した社殿が佇む神聖な雰囲気は信仰の山ならでは。明智光秀が本能寺の変の前に参拝したというエピソードもあり、大河ドラマが絡む今年は注目が高まりそうな予感。 <アクセス> JR・近鉄線京都駅から清滝行のバス便あり。阪急線嵐山駅からのバスもある。また、「水炊き」で有名な水尾へ下山することもできる。 <アドバイス> 表参道は石段が多い急な道で、登山者も多いため、雪が踏み固められて滑りやすくなる。簡易的なクランポンか、チェーンスパイクは必携。さほど雪が深いわけではないが、京都の冬の冷え込み方は半端ないので、防寒対策をしっかりと。 <フォトグラファー/八隅 梨恵さん> 里山歩きから厳冬の雪山までオールマイティに山を楽しむフォトグラファー。キリマンジャロや、アイスランド・ロイガヴェーグルのソロテント泊など、海外の山も数多く登る経験をもつ。