日帰りで行ける雪山登山8選~関西・中国エリア~
奈良県/三重県桧塚奥峰
登山適期1月~3月 歩行時間5時間 総距離約13㎞。 奈良県と三重県の境界を成し、日本一大きな半島である紀伊半島の中央部を南北に貫くように延びる台高山脈。日本最後の秘境といいたくなるほど山深く、どこまで見渡しても山が広がる魅惑的なエリア。 最北部にある高見山は、冬期は「霧氷バス」が運行され、ハイカーたちで大賑わいとなるが、少し南下すると、訪れる人も少なく静けさが味わえる。なかでも、明神平周辺は地形もなだらかで、アプローチも短く、雪山初心者にも行きやすい山域だ。 大又林道終点から明神谷を詰め上がると、かつてスキー場があった明神平。広々とした気持ちのいい場所で、南側のピークが明神岳。ここから三重県側に張り出す支尾根を下って行くと、標高1、420mの桧塚奥峰がある。 眺望もよく、運が良ければ霧氷を見ることもできる。積雪もそこそこ期待できる山域なので、靴やウエアも含め、しっかりとした雪山仕様の装備で望もう。膝上まで雪が積もっていれば、スノーシューハイキングも楽しめる。 <アクセス> 南阪奈道路葛城ICから国道165・24号を東へ、外山から国道166号を南下、東吉野村役場から大又林道終点へ。 <アドバイス> 樹氷や霧氷を見るなら早朝がおすすめ。雪がいちばん多いのは2月ごろで、大雪直後の晴れの日が最高。例年3月ごろまで雪が楽しめる。明神岳からは広い尾根なので地図読みはしっかりと。視界が悪いときはコンパスを活用しよう。 <ヨセミテ店長/豊田祥大さん> 30歳で山に目覚め、山に関わる仕事がしたいと奈良でアウトドアセレクトショップ「ヨセミテ」を開店。トレランのレースやロングトレイルにも挑戦しつつ地元の山に足しげく通う。
京都府/峰床山
登山適期1月~3月 歩行時間7時間30分 総距離約15㎞。 琵琶湖へ注ぐ安曇川水系や、日本海へ流れる由良川水系、桂川や鴨川へと流下する川の源流部など、複雑な分水嶺を形成するエリアに位置する山で、京都北山のなかでももっとも山深い山域となっている。 ハッチョウトンボなどの貴重な生物相が見られる、珍しい高層湿原の八丁平、古くから若狭と京の都を結ぶ街道として人々が往来し、いまなお石仏が静かに佇むオグロ坂峠など、独特の風情が漂うのどかな里山の雪景色が楽しめるのが魅力。 峰床山へは4つのコースがあるが、大悲山口から入るコースは雪山初心者でも歩きやすく、迷う心配も少ないのでおすすめだ。大悲山キャンプセンターからナメラ谷に沿って俵坂峠へ。 峰床山へ直接登ることもできるが、八丁平、オグロ坂峠をめぐって歩くと、この山域の魅力がたっぷりと味わえる。ちなみに、大悲山口からナメラ谷へ向かう林道の途中から少し歩いたところには、日本一高い巨木「花脊三本杉」がある。分岐を示す看板から片道30分程度。 <アクセス> 出町柳から京都バス利用約1時間半で「大悲山口」へ。バスは1日3便、復路の最終は17:37 発。これを逃さないプランを組むようにしよう。 <アドバイス> 時間的に厳しければオグロ坂峠、八丁平は割愛して峰床山ピストン、又は八丁平のみというプランで。看板や標識はあるが、わかりにくい箇所もあるので、地図とコンパスはマスト。「北山分水嶺クラブ」の地図や地図アプリの併用がおすすめ。 <山道具とごはん麓・男店主/荘村健太郎さん> 比叡山の麓で、京都の里山で使える山道具と、地元修学院野菜を使った毎日食べたくなるごはんやコーヒー、手作りケーキなどを提供する小さなカフェを女店主の妻とともに営んでいる。