日帰りで行ける雪山登山8選~関西・中国エリア~
滋賀県/霊仙山(りょうぜんさん)
登山適期1月~3月 歩行時間5時間 総距離約9。5㎞。 鈴鹿山脈最北に位置する霊仙山は、北には伊吹山、南は鈴鹿の峰々、そして西には琵琶湖が見渡せる抜群のロケーションが特徴。花の百名山でもあり、雪解けとともに咲くフクジュソウ、初夏のころにはクリンソウやヤマシャクヤクと、花の美しさでも知られており、白い石灰岩が点在するカルスト地形は夏空にも映える。 だが、このなだらかな地形が雪をまとうと、一面が優美な銀世界と化して、ビギナーも楽しめるスノーパラダイスとなる。 榑か畑(くれがはた)登山口から山頂を往復するコースが定番で、山頂まで最短距離で登ることができる。 ただし、冬期は醒井(さめがい)養鱒場から先の林道は除雪されないため、そこから林道を歩く場合もある(約40分)。登山口から樹林帯のなかを登るが、七合目あたりから樹林が途切れ、眺望が開けて広々とした雪景色が楽しめるように。 ごろごろとした岩もすべて雪に埋もれ、真っ白な斜面にスノーシューで自由にトレースをつけて歩くのはとても楽しく、まさに雪山の醍醐味。 <アクセス> 北陸自動車道米原ICから国道21号、県道17号を経由し醒井養鱒場へ。醒井から先の林道は道幅も狭くなるので、運転には注意が必要となる。 <アドバイス> さほど標高は高くないわりに雪山らしさが楽しめ、ビギナーがアルプスデビューの前に足慣らしをするのにぴったり。山頂付近は樹林がないため、荒天時には風も強く、視界が悪いとルートがわかりにくいので、無理せず途中で引き返すこと。 <アウトドアカフェRokko・Beaver’s Nest オーナー/松田聖子さん> アウトドア業界で長く勤務。A&Fやシッティングブル神戸のスタッフを経て、2019年12月に六甲山麓でカフェをオープン。ハイクイベントなどの活動を行なう「山とあそ部」も主催している。
兵庫県/氷ノ山
登山適期1月~3月 歩行時間6時間30分 総距離約11。5㎞。 わかさ氷ノ山スキー場から山頂を目指す三ノ丸西尾根コースは、樹氷第2パノラマリフトを利用すると、1、000mまで標高を稼げるので、日帰りプランにぴったり。 チャレンジコース西側のゲレンデと樹林帯のきわから尾根に取り付き、リフト最上部を経て、ブナの森に至るまでの約1㎞が本コースでいちばんきついパートとなる。急な尾根を登りきると、美しいブナの森へ。 三ノ丸にかけてはなだらかな地形で、眺望を楽しみながらのんびりと稜線歩きが楽しめる。三ノ丸から氷ノ山山頂までは、ゆるやかにアップダウンしながら約2㎞。山頂には最近建て替えられて新しくなった避難小屋があり、風を避けながら快適に休憩できる。 北側には鉢伏高原や扇ノ山、南には後山方面が見渡せ、眺望は抜群。下山は、コシキ岩経由で周回コースにしてもよいが、積雪時はコシキ岩の巻きが厳しい場合もあるので、慣れてない人は往路を戻り、チャレンジコースを尻セードで滑って下るのがおすすめだ。 <アクセス> 中国自動車道山崎ICから国道29号を鳥取方面へ進み、若桜鉄道若桜駅付近から県道482号へ。大阪・岡山・鳥取から日交特急バスも運行されている。 <アドバイス> 日帰りでも必ず登山届の提出を。入山前に管理事務所に提出し、下山報告もお忘れなく。下山時は、間違って沢へ下りてしまわないように注意を。視界が悪いと山頂付近は迷いやすいので、悪天時は途中で引き返すことも検討しよう。 <白馬堂ROKKO・店主/浅野晴良さん> 昭文社の『山と高原地図 六甲・摩耶』の調査執筆を担当。“暮らしの一部に山がある生活”を提案しながら、六甲山への主要登山口のひとつである阪急線六甲駅でアウトドアショップを経営している。 ※この記事はPEAKS[2020年2月号 No。123]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。 **********。 ▼PEAKS最新号のご購入はAmazonをチェック。 編集◉PEAKS編集部/文◉岩永正朗、河野綾子、栗山ちほ、根岸真理/Text by Masaaki Iwanaga、 Ayako Kawano、 Chiho Kuriyama、 Mari Negishi
PEAKS編集部