GA4の難しさを解明! サイトのパフォーマンス改善に欠かせない指標とは
たとえば、あなたがファッションブランドのECサイトの運営者だったとしよう。検索連動型広告などで、“ワンピースの購入意欲が高いユーザー”を発見したとする。該当するユーザーのバックグラウンドは、多岐に渡る。ワンピースの購入意欲の高いユーザーが、全員、自社にフィットするユーザーではないのだ。
「高校の卒業旅行に着ていくワンピースを、予算1万円で探している地方都市在住の18歳のユーザー」がいる一方で、「今月末のホームパーティで着るワンピースを予算20万円で探している港区在住の38歳のユーザー」もいる。 ┌────────── どちらも『ワンピースを欲しいユーザー』ですが、どちらも自社にとってフィットするユーザーになりますか? ならないですよね(木田氏) └──────────
ユーザー最適化のビジネス的意義を示したのが以下の図だ。セッション最適化が対象としている収益は初回購入獲得のみ。ユーザー最適化はLTVまで見ていくので、以下の図でピンクの三角形が収益の対象となる。
たとえば、運営しているECが高級品志向のサイトなら、後者の38歳のユーザーを「自社にフィットするユーザー」と捉えた方が、2回目・3回目のリピート購入につながりやすいだろう。ユーザー最適化で考えた方が、LTVの向上、業績アップへの影響が大きく、ビジネスで達成したいゴールに近いといえる。
ユーザー最適化が難しいのは、汎用的な施策がないから
では、すぐにユーザー最適化をやろうとなるかというと、すぐにはそうならないと木田氏。なぜかと言うと、「ユーザー最適化には、セッション最適化にはある “汎用的な施策”がない」からだという。 セッション最適化の具体策といえば、次のような定番施策がある。 ・LPO(ランディングページ最適化) ・回遊性改善(ページのサイドやフッターへ関連性の高いリンクの掲示など) ・EFO(エントリーフォーム最適化) 一方で、ユーザー最適化の施策は、同じ業界でもユーザー層が異なれば個別に施策を実施しないといけない。これが、ユーザー最適化が難しい要因だ。個別化する必要があるので、他社の真似や一般的な施策ではダメで、自社のサイトのことを考える必要があるのだ。