G2P-Japanアジアツアー2023~バンコク【「新型コロナウイルス学者」の平凡な日常】
■バンコクの夜景の車窓から 空港に向かう電車の席につくと、思いがけずどっと疲れが出た。 ――これでようやく、2023年の海外出張も終わる。12月14日、気づけば2023年も残すところ半月ほどとなった。 今年もいろいろなことがあったなあ、などと、じわじわと疲労感の広がる頭でぼーっと思い返したりしてみたりする。ふと思い出し、パッポンストリートで見つけた台湾のバンドDSPSの、『時間的産物』というアルバムを聴きながらひと息をついた。 疲労感を伴いながらシートに身を任せ、バンコクの夜景がゆったりと流れる車窓を尻目に、AirPodsから流れるDSPSを聴いていると、今度は不意に、スーパーカーの「LAST SCENE」(作詞:石渡淳治 作曲:中村弘二 2004年)という曲のプロモーションビデオのイントロが頭に浮かんできた。 ジ・エンドを素通りしたステージ 客はもう眠っている 夢のようなストーリー 羽根のようなダンス・ステップ 夜のとばりの中、ゆったりと多摩川を渡る電車が走るシーンから始まるこの曲のプロモーションビデオは、疲労感とある種の達成感に満ちた感覚とよくマッチした。 文・写真/佐藤 佳