今年9月に結婚と妊娠を発表した栗原恵さん（40歳）。夫のKoukiさんはモデル、写真家として活躍中 photograph by Megumi Kurihara & Kouki

　今年9月に結婚と妊娠を発表した元バレーボール日本代表の栗原恵さん(40歳)。写真家でモデルのKoukiさんとの電撃婚はバレー界も驚かせた。新しいステージに立った今、あらためて振り返る「プリンセス・メグ」と呼ばれた若き日の熱狂と苦悩。仲間たちやバレーボール界への思いを聞いた。〈NumberWebアスリート結婚特集・インタビュー全3回の2回目〉 【お宝写真】「あのバレー名選手たちが母になって再会…」新婚ホヤホヤ栗原恵40歳＆イケメン夫を囲む大山加奈、木村沙織、荒木絵里香、大山未希を見る！「なつかしすぎる20歳のメグカナ」「木村沙織を励ます栗原恵」など2000年代女子バレー写真も（70枚） 　栗原恵さんの結婚の一報に、バレー界の仲間たちは祝福に沸いた。ある秋の日、集まったのは元バレーボール日本代表の大山加奈さんや荒木絵里香さん、木村沙織さん、大山さんの妹で元ビーチバレー選手の大山未希さんといった豪華な顔ぶれ。Koukiさんと栗原さんの新婚夫妻を囲んで、お祝いのランチ会が開かれた。 「みんなビックリしていました。ただ、最近の私のインスタの投稿が、被写体として撮られている写真が多かった、というのは思っていたみたいで『この写真誰が撮ってるんだろう、誰かいい人いるのかなって言っていたんだよ』って。今まで私は結婚願望がなく、そういう話は全くしていなかったので、なんだか本当に新鮮なランチ会でした」 　荒木さんは出産後に現役復帰し、2021年東京五輪でキャプテンをつとめた。大山加奈さんは双子の女児の母、木村さんも昨年2月に男児を出産している。大山未希さんも2019年に結婚しており、4人はみな、妻や母として“先輩”にあたる。ストイックに戦っていた現役時代とは全く違う柔らかい表情で、新鮮な話題に花が咲いた。

「すごく幸せな時間でした」

「今まで春高の会場とかで会っても、私は独身だったのでそういう話題にはならなかった部分で、あれがいいよとか、こうした方がいいよ、とかみんながアドバイスしてくれました。お互いにステージが変わって、さらに深い話ができるようになったのかなと思います。忙しい中で会う時間を作ってくれるだけで嬉しいのに、彼も呼んでお祝いをしてくれた。胸がいっぱいで、すごく幸せな時間でした」 　特に同じ1984年生まれの大山加奈さんとは、乗り越えてきたものがある。三田尻女子高(現・誠英高)2年時には、春高バレー決勝で大山さんが率いる成徳学園高(現・下北沢成徳高)と対戦。ともに高校生の頃から日本代表に選出され「メグカナ」コンビとして注目を集めた。 「こんな風にお互い結婚して子どもができて、というのは感慨深いですね。カナは学生の頃から20代で結婚したいと言っていたので、結婚した時は私も嬉しかった。当時サプライズで(妹の)未希ちゃんが結婚式を開いたんですけど、私はまだ現役だったので行けなかったんです。私は何もできていなかったのに、あんな風にお祝いしてもらってすごく嬉しかったですね」 　当時の「メグカナ」フィーバーは熱狂的だった。代表チームの中では新顔である2人に常に注目が集まり、2人が揃うとカメラのレンズが一斉に向いた。大山さんは2019年のNumberWebのコラムの中で、「こんな状況で自分たちばかりが注目されていいのだろうか、と先輩たちに対して気まずさを感じ、自然にメグと距離を取るようになりました」と当時のことを振り返っている。 「そうですね。自然と距離を置いてしまうというか、置かざるを得ない環境でした。お互いに若かったので、うまく表現できなかった。同じポジションを競い合っているので、どちらかが入ってどちらかが入っていない、っていうことが繰り返される中で、かける言葉1つで相手を傷つけてしまうかもしれない。声をかけても今調子がいいからそうやって言えるんだろう、と思われちゃうかなとか、考えなくていいことまで考えて……結果的に距離を置くという感じになってしまったのだと思います」