F1タイトル争いだけじゃない! 大詰め迎えた2024年シーズンの“絶対に負けられない戦い”
トップ2争い
■注目チーム:マクラーレン、レッドブル、フェラーリ マクラーレンはアゼルバイジャンGPでオスカー・ピアストリが優勝したことでコンストラクターズランキング首位に立ち、シンガポールGPでノリスが優勝したことでレッドブルに41ポイント差をつけた。レッドブルがシーズン序盤の調子を取り戻せなければ、この差はさらに広がりそうだ。 レッドブルがシーズン半ばに調子を崩していた間、マクラーレンがコンストラクターズランキングで首位に躍り出るのはある程度避けられないように思われていた。現時点での両チームのパフォーマンス差を考えると、レッドブルが首位を奪還するのは至難の業だろう。 逆にレッドブルはランキング2位をめぐり、フェラーリからの挑戦を受ける可能性すらある。両チームの差は34ポイント差だ。 シーズン中盤、レッドブルのドライバーはRB20の不安定なバランスに悩まされ、フェラーリはフロア開発が高速コーナーでのバウンシングを誘発してしまった。しかしシーズン終盤に差し掛かり、それぞれ問題を克服したように見える。 レッドブルはマシンパフォーマンス面でアドバンテージを維持しているが、獲得ポイントの大半をフェルスタッペンに依存しており、事実上1台体制でコンストラクターズランキング争いに挑んでいる。 フェラーリのシャルル・ルクレールとカルロス・サインツJr.は共にポイントをチームに持ち帰ることが期待できるが、レッドブルのセルジオ・ペレスは入賞圏内ギリギリを彷徨うだけの存在になりそう……レッドブルは現状、リヤビューミラーを見ている時間が増えることになるかもしれない。
ランキング6位争い
■注目チーム:RB、ハース メルセデスがフェラーリから112ポイント差、アストンマーティンがそこからさらに243ポイント差と、コンストラクターズランキング4位と5位はほぼ確定。この順位が入れ替わることはなさそうだ。 アストンマーティンは表彰台を8回記録した2023年シーズンから後退したものの、トップ4チームに次ぐ5位もまずまずといった結果で、ランキング6番手のRBに52ポイント差をつけている。 一方でRBと、それを追うハースのポイント差はわずか3点と、ランキング6位争いは熾烈だ。 小松礼雄代表率いるハースは、RBよりチーム規模は小さいものの、ギュンター・シュタイナー元代表が率いていた時代とは比べ物にならないほど熱心にF1と向き合っている。 チームは獲得ポイントの最大化に集中することで、2023年シーズンよりもはるかに順調なシーズンを送っており、RBよりも勢いがある。 ハースのニコ・ヒュルケンベルグは中団争いにおける主役のひとり。イギリスGPとオーストリアGPでの2度の6位フィニッシュは、シーズン序盤に角田裕毅が入賞を連発したRBのアドバンテージを大きく削ることに貢献した。 ケビン・マグヌッセンの活躍は今ひとつだが、今季はハースとヒュルケンベルグをサポートする重要な役目を負い、時に物議を醸しながらもチームメイトを入賞圏内に押し上げた。 RBは角田が安定してポイントゲッターを務めてきたが、残り6戦ではリアム・ローソンが新たに加わり、勢いづくかもしれない。ローソンの前任だったダニエル・リカルドは、時折スピードを発揮したものの、安定感に欠け角田の後塵を拝した。 ただローソンは昨年リカルドの代役として同チームから5戦に出場した際、いきなりのF1でも入賞争いを繰り広げており、今年はより頻繁に中団グループで活躍することが期待される。 ハースは次戦アメリカGPに向けて新パッケージを用意。RBも残り6戦に向けて新しいパーツをいくつか準備しているはずだ。
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