F1特集|不当な評価か、それとも真の懸念か。レッドブルの“角田裕毅懐疑論”を紐解く
レッドブルが投入した全てのチームメイトを上回るパフォーマンスを発揮しているにもかかわらず、角田裕毅はマックス・フェルスタッペンと並ぶシートを与えられることがまたしても見送られた。リアム・ローソンに先を越され、角田をめぐる“イメージ”の問題が足かせになっていることが浮き彫りになった……。 【ギャラリー】アブダビ・ポストシーズンテスト/角田裕毅はレッドブルRB20をドライブ ****** 「ポールポジションとか、全レースで表彰台とか……何でもいいですよ」 数週間前、自身の実力を証明するために何が必要かと角田裕毅に尋ねると、そう答えた。 角田は直近のチームメイトに対し、予選順位でニック・デ・フリースに8対2、ダニエル・リカルドに16対9、リアム・ローソンに10対1と勝ち越し、獲得ポイントでもデ・フリーズに2対0、リカルドに37対18、ローソンに8対6と上回った。 数字上ではレッドブルによって送り込まれたチームメイトを全て打ち負かした角田だが、その数字が直接的な評価に繋がらないことを理解している。 それどころか、角田は2025年のレッドブル・レーシング昇格の機会を見送られ、さらなる失望に打ちひしがれている。これが最後のチャンスだったかもしれない。角田が抱える最大の問題は、おそらくドライバー自身ではコントロールできないモノ……つまりイメージの問題だと角田は考えている。 角田はF1デビュー戦での輝かしい走りを、ルーキーイヤーを通して続けられなかったことが不利に働き、それがこびりついてしまったのではないかと考えているのだ。 「ルーキー1年目にストレートで結果を残せなかったのは、僕のせいでもあると思います」 外部からの懐疑的な目について角田はそう語った。 「最初の1年は苦労しましたが、それが僕という人間のイメージが形成されてしまいました。正直なところ、それは僕のせいだとは言えません」 「シーズン中盤にシャシー交換をしてから、状況はかなり良くなっていきました。それまではマシンにきちんと馴染めず、ただ滑りまくっているだけでコースに留まるのも難しいし、良いパフォーマンスを発揮することさえ難しかったんです」 「それでQ1落ちが続いて、状況が悪く見えたんです。その後、シャシーを変えたら突然、常にQ3へ進出するようになりました。それがちょっとした理由という話もあります」 「今年はいくつかのレースで良いパフォーマンスを発揮しても、おそらく他のドライバーが受けているほどには、僕は評価されていないような気がします」 「でも、それが現実なんです。ただ自然に、今やっていることを続けて、良いパフォーマンスをして、彼らが間違っていることを証明するだけです」