【天皇賞秋】武豊のジョッキーカメラが異例の形で〝全編公開〟 必要なのは映像だけでなく「真実の声」
[GⅠ天皇賞・秋=2024年10月27日(日曜)3歳上、東京競馬場・芝2000メートル] 【写真】大歓声に応える武豊とドウデュース GⅠ後の恒例となった「ジョッキーカメラ」。天皇賞・秋を制したドウデュース・武豊につけられたカメラの映像も27日夜になって公開されたのだが…。これが異例だった。〝映像に一部乱れがございます〟の注釈つきでお披露目されたこの動画。見ると、スタートして間もなく前の馬が跳ね上げた泥がカメラに当たったようで、大部分が真っ黒。映像はほぼ何も確認できない状況だった。本来ならボツになってもおかしくないものだったが、画面左上にレース中の通常カメラ映像を挿入。また、レース終了後の別映像を映すという編集まで施されて〝全編〟が公開された。 最後までこの動画を見ればJRAが公開に踏み切った理由も分かる。レース後の武豊のリアルな本音が収録されていたからだ。 ゴール後に「やった」と息を切らせながら漏らし、大歓声のスタンドのファンに向かって何度も「ありがとう」と応えるシーン。担当の前川助手とガッチリ手を握り合った後に出た「やっと走らせられたわ」という言葉。すべて武豊の心から出た〝真実〟だった。 その後、地下馬道に入って行く際には厩舎スタッフに対して「やっぱり世界一やで」とドウデュースのポテンシャルに驚嘆する声も入っており、「これで4年連続(GⅠ制覇)で、2000メートル(のGⅠ)も勝った。すごい馬やで。これでケロッとしているもんな」とも。 最後は「(オーナーの)松島さん大丈夫ですかね?」と問いかける厩舎スタッフに「心配やな。倒れてるんちゃうかな(笑い)」とジョークで返した武豊。非常に中身の濃い音声が収録されている。 この公開にはファンも歓喜。JRAの公式Xには「〝音〟こそ貴重な宝物。公開してくれてありがとう」「画像が乱れても公開していただいたことに価値があります。音だけでも臨場感は十分すぎるほど伝わりました。ありがとうごさいます」「松島さんの話めっちゃよかったっす!」という声が続々と寄せられた。 決して「映像」だけではなく、「音声」にも価値があることを知らしめた歴史に残るジョッキーカメラとなった。
東スポ競馬編集部