反抗期の中学生がもっとも嫌う「親の口調」とは? 言い方次第で子どもの反応は変わる
すぐにうまくはいかないけれど、うまくいったら「ありがとう!」
ひとし:とはいえ、そういう伝え方をしても、子どもが自発的に動かないパターンはないかな? はるか:もちろんあるある! でも、そもそも「子どもが必ず行動してくれる」って前提で考えていたら、うまくはいきません。命令・指示する形のYOUメッセージと違って、Iメッセージは「お願い」や「提案」に近いもの。だから、「行動してくれるかもしれないし、行動してくれないかもしれない」がベースです。 その前提を見失ってしまうと、子どもが思ったような行動をしてくれないときに、こっちが落ち込んだりストレスを感じるかもしれない。あるいは「やっぱり叱ったほうがいいんだ!」と思ってしまうかもしれません。 ひとし:なるほど、それはおもしろい視点だ。 はるか:「Iメッセージを使って『動かして』やろう」という下心があるかどうか。子どもはそういう空気を敏感に感じ取っています。そんな下心が伝われば、子どもは押し付けられてるように感じるし、きっとお手伝いはしないはず。 だから僕はこんなふうにしていました。「うれしいな」「悲しいな」とたくさん伝えていると、たまに動いてくれるときがある。そのときに、気持ちが伝わるように「ありがとう!」と感謝するんです。そうしたら子どもはすごく喜んでくれるし、それが何度か積み重なっていくと、だんだん子どもも心を開いてくれるんだよね。それで、気づいたら反抗的な態度もなくなっていく。 だから、このお母さんにも、焦らず、少しずつ信頼関係を再構築していくようなイメージを持ってほしいと思います。 ひとし:たしかに、すぐにうまくはいかないかもしれないよね。 「相手を思惑通りに動かそうとするとお互いにストレスがたまる」って、俺は会社に勤めて、マネジメントする立場になってすごい感じることだな。自分の思った通りに行動してもらおうとするより、いかに感謝を伝えるかとか、そっちが大事だよね。 はるか:うん。やっぱり人と人とのコミュニケーションの話だから。「こうすればこうなる」「コントロールしよう」とは思わないほうがいいと思います。
はるか先生のワンポイント
Iメッセージ 「私」を主語にして気持ちを伝えよう。 ✖(あなたが)片づけなさい! ○(私が)片づけてくれたら助かるな!
福田遼,秋山仁志(子育てのラジオ「Teacher Teacher」MC)