反抗期の中学生がもっとも嫌う「親の口調」とは? 言い方次第で子どもの反応は変わる
反抗期は「言われてやる」のが嫌な時期
ひとし:なるほどね。YOUメッセージとIメッセージが何かは一応理解したけど、なんでそれが反抗期の子どもに有効なのか、みたいなのがまだ全然わからないんだけど……。 はるか:そもそも反抗期って、子どもの「自立したい」という気持ちの表れなんだよね。「自分でどうにかしたい」とか「言われなくてもわかってるよ!」という気持ちが反抗的な態度として表れている。 ひとし:うん。 はるか:つまり、反抗期は「言われてやる」のが嫌になってくる時期ということ。そんなときに、YOUメッセージで「~しなさい」と叱られる。この伝え方って、指示されてる感じがあるじゃない? 命令されてる気がするから、子どもはつい反発したくなるんです。 ひとし:たとえ正論であっても、ってことか。 はるか:そうそう。一方で、「片付けてくれたら助かるな」のように、Iメッセージで親が自分の気持ちを伝える形だと、指示されてる感覚はなくなると思わない? ひとし:ないね。不思議だ。 はるか:ここが大事です。一見同じようなことを言っているように見えても、「指示された」と思うか、「お母さん(お父さん)が困るんだな」と思うかで、子どもの心境は全然違うんですよ。後者は、子どもが持つ「自立したい」って気持ちを邪魔しません。
命令口調をやめると、子どもの行動が「自発的」になる
ひとし:なるほど。これは実際はるかも、先生として子どもたちに使ってたの? はるか:もちろん! 「Iメッセージに助けられた!」と言えるくらい、かなり頻繁に使ってたよ。 学校の先生と言えば、「姿勢良くしなさい」「勉強しなさい」とか指導するイメージがあると思います。最初は僕もそうやって、ちょっと偉そうに指示を出してたんだけど、子どもの心はどんどん離れていく。全然言うことを聞いてくれないし、なんかギクシャクするんだよね。 それで困っていたときに、このIメッセージの考え方を知って、さっそく実践するようになりました。たとえば、何かを手伝ってほしいとき。それまでは、「人のために動くのって大事よ」「みんなも手伝って」なんて説教っぽく話していたところを、「先生、今、大変やけん、手伝ってくれんー?」とか「手伝ってくれたら、めっちゃ助かるんだけど!」みたいに伝えるようにした。すると、子どもたちが気持ち良いくらいに動いてくれるようになったんです。 ひとし:へえ。「静かにしてくれたら先生うれしい」とかもIメッセージかな? はるか:そうそう! 「君たち静かにしてて偉いね」じゃなくて、先生がうれしい。僕が助かるって伝えるわけです。 ひとし:たしかに。俺も子どもの頃「片付けなさい!」って言われてもしなかったけど、「お母さん、食器洗うの大変そうだな」とか感じたら、自分で洗ったりしてたかも。 はるか:そう! 子どもの行動が自発的になるんだよね。親が大変そうだから自分がしたい。親を喜ばせたいから自分がしたい。人に指示されたんじゃなくて、自分から行動するから気持ち良く動けるんです。