映画化もされた介護付きシェアハウス、フェスやオーダーメイドの葬式も開催! ご近所さんも子どもも”ごちゃ混ぜ”に集うカオスさが介護の常識を覆す「はっぴーの家ろっけん」兵庫県神戸市
部屋も廊下や共有スペースも、元気になる色使いやデザイン。
入居者の家族や外部から遊びにやってきた人の困りごとも手助け
首藤さんに、事業が拡大した理由をたずねると、「ぼくら、おせっかいが過ぎるんです」と笑う。
入居者さんと話しているのが、スタッフなのか遊びに来た人なのかぱっと見わからないが、とっても楽しそうに会話していた。
ろっけんには、見学者も多く訪れる。首藤さんが語るろっけんや街づくりの思いに聞き入っていた。
入居者さんやスタッフによるファッションショー。ろっけんの新入りマイクロブタもレッドカーペットをトコトコ。
驚くのは、Happyの「暮らし」を提供するサービスには、入居者の家族や、遊びに来ている人も対象に含まれていること。例えば、入居者のご家族で大西雄季さんは、バリでコーヒー農園をしていたが、高齢の母が常に気がかりだった。
「大西さんは、『搾取されているコーヒー農園の人たちを救いたい』という思いをお持ちだったんですけど、『1人じゃしんどい』ってすごく困っていたんです。だったら僕らサポートしましょうかと」(首藤さん) 大西さんの母親は介護が必要な高齢者だ。サービス付き高齢者向け住宅や介護施設に馴染めず、悪くなる一方の母親をみかねて、他の選択肢を探す中で、「ろっけん」に出会った。問い合わせてみると、空きはない。しかし、そこで終わらないのが、「人とつながる」ろっけんだ。コーヒー農園に興味を持ったスタッフから「話を聞きたい」と言われ、「私もろっけんを見たい!」と意気投合した大西さん。 この出合いがきっかけとなって、ろっけんでコーヒーイベントの開催も実現。Happyが運営するカフェバーでカカオ豆を取り扱うことにもつながった。
「最初、母は大丈夫かな、馴染むかなあと思いましたが、見事にハマって。杖がいらなくなり、ご飯を食べるようになり、何よりよく笑う! 今思うと、終わりに向かいかけていた母の気持ちが、ここに来て、『まだ終わっていない』『生きる』という方向に向いたのかもしれません。母が幸せな人になって、私の夢も叶いました。ろっけんに出会えてよかったなと思っています」(大西さん)
【関連記事】
- 60歳以上のシニア女性と外国人が共に暮らすシェアハウス、異文化に接する暮らしが刺激に。アジア料理交流会など地域にひらいたイベントも 「西都ハウジング」大阪
- 障がいのある人もない人も、住人みんなで自主管理の「コレクティブハウス大泉学園」。料理は定期で当番制、居室リノベなど大事なことはみんなで決める自立スタイルの暮らし 東京都練馬区
- 高齢化進む団地の商店街を大規模リノベ! 名物・商店街バーガー、駄菓子屋など新店も続々、子どもも高齢者も街歩きを楽しみだした 千葉県千葉市「花見川団地」
- 図書館のあるシェアハウス。ご近所さん、夢追い中の人、疲れた人などが多様に学び・癒やされる場所「Co-Livingはちとご」管理人・板谷さんに聞いた 茨城県水戸市
- 賃貸住宅に革命起こした「青豆ハウス」、9年でどう育った? 居室を街に開く決断した大家さん・住民たちの想い 東京都練馬区