観光分野の生成AI活用状況は? グーグル年次カンファレンスにJR東日本、星野リゾート、LINEヤフーが登壇
星野リゾート代表が考える、生成AIのメリットと向き合い方
生成AIのGeminiをGoogle Workplaceで活用できる「Gemini for Google Workspace」の導入企業として登壇した星野リゾート。代表の星野佳路氏は、「生成AIをいち早く導入し、社員に早く慣れるように徹底するという意思決定をしている」と説明。「生成AIは観光産業を変革する。ここに迅速に参入することが、次の成長と競争力の維持につながる。生成AIを味方にし、パートナーとして持つことが重要だと思っている」と強調した。 星野氏は、生成AIを導入する理由を4つの観点、(1)外国語、(2)正確性、(3)固定観念からの脱却、(4)創造性の刺激、で提示。 特に(3)固定観念からの脱却については「スタッフの日々の小さな意思決定に重要」と話した。なぜなら「大きな意思決定では市場調査を入れるが、小さな意思決定をスタッフがするときには予算も時間も限りがあり、各自が自分の感覚を信じるしかない。私はそれがボトルネックになると思っていた」(星野氏)。実際のマーケットでは個々の感覚とは違うことが起こっており、「固定観念をいかに脱却できるか、生成AIに期待している」と話した。 一方、星野氏は、生成AIを導入することで、それまで要していた時間とエネルギー、コストを「違う分野にかけられるようになる」とし、その対象も(1)国語力の表現、(2)発想をひねる、(3)選択肢を外す、(4)個性の表現、の4つを提示。「生成AIはマーケットの全員が手に入る道具。オリジナリティ、自分の戦略をどう出すかが重要になってくる。生成AIが出す選択肢の中から何を選ぶかの決定や、ブランディング、パーソナリティの表現は、我々自身でしなくてはならない」と説明した。 そして星野氏は、「これらは経営の仕事」と説明。今まで社員がしていた仕事を生成AIがしてくれることで、「これからは社員一人一人が、経営の観点で仕事ができるようになる」と、最大のメリットを話した。