アメリカで話題沸騰のハイテク美容施術、人の手が不要な“ロボットまつエク”の実態に迫る
もしロボットがあなたの美容施術の時間を半分以上短縮するとしたら、試してみたいと思うだろうか? 美容の分野における最新技術の活用は著しく、AIが美容アドバイザーとして肌悩みに答えたり、バーチャルメイクを提供したりと、テクノロジーを活用したビューティーテックを掲げるスタートアップ企業が台頭している。 そのなかで今アメリカで注目を浴びているのが、自動化されたAIまつげエクステロボットを開発した「ルーム(LUUM)」だ。 ロボット工学者のネイサン・ハーディング(Nathan Harding)と、フランスのスターバックスのマネージング・ディレクターの経歴を持つフィリップ・サンチェス(Philippe Sanchez)がタッグを組み、2017年にアメリカ・カリフォルニアで創設された。 従来は手作業で行われていたナノメートルのスケールで実行されるまつげエクステを、ロボットが施すことで、鋭利な器具やツールを使用することなく、より安全で正確な施術を提供すると謳う。そして最大の魅力は、20~30分の施術時間の短縮だという。 今後世界へと普及する可能性を秘めた革新的な“ロボットまつエク”について、「ルーム」社長ジョー・ローソン(Jo Lawson)に、その実態を詳しく聞いた。
自動化されたビューティ体験の誕生
ー「ルーム」のアイディアはどのようにして生まれたのでしょうか? 共同創設者兼CEOであるネイサン・ハーディングは非常に優れたロボット工学者で、脳卒中や脊髄損傷の生存者が立ち上がって歩けるようになるための、画期的な人間用外骨格で有名な「Ekso Bionics」を共同創設したことで知られています。
彼のアドバイザーのひとりが「Amazing Lash Studio」のフランチャイズに投資していたことからインスピレーションを得て、美容業界におけるまつげエクステンションの施術プロセスを改善するための未開拓の機会を発見しました。美容業界には当初馴染みがなかったものの、彼はこの新しい分野に非常に興味を持ち、現在の“LUUM Precision Lash”の開発を始めました。 6年半後、「ルーム」の画期的な技術は“自動化されたビューティ体験”というまったく新しいカテゴリーを創り出し、美容トリートメントへのアプローチを進化させ、AIを通じて美容専門家のプロセスを最適化しました。生産性の向上、施術時間の短縮、卓越した一貫した結果を通じて、「ルーム」の技術は美容サービスの景観を変革し、関係者全員に新しい基準の卓越性と利便性を提供しています。 ーユーザーからはどのようなフィードバックを受け取っていますか? ユーザーからは非常に快適でリラックスできるとの声をいただいております。施術時はブランケットとイヤホンをご用意し、リクライニングしてくつろいでいただけるようご案内しています。多くの方が施術中に眠りに落ちることさえあるほどです。 ユーザーはしばしばその感覚を「蝶のキス」や「まつげマッサージ」などと表現されます。また、エクステの見た目や感触に満足し、その美しい仕上がりに絶賛の声を多数いただいております。 このようなフィードバックに加え、「ルーム」はソーシャルメディアでもバズを起こしました。会社のInstagramやTikTokの動画は拡散され、わずか数日で数千万回の視聴回数を記録。その結果、「ルーム」のロボットに対する需要は圧倒的で、1,000以上の企業が自社の小売りスペースで私たちの技術を活用したいと関心を示したんです。