ソフトB優勝でパの焦点はCS出場権争いへ…3位・西武が楽天に逆転勝利で2位・ロッテにピタリ2ゲーム差
こん身のひと振りで奇跡への可能性を繋ぎ止めた。逆転でのクライマクスシリーズ(CS)進出へ。ファンの夢と希望を乗せた打球が美しい弧を描きながら、バックスクリーンへと伸びていく。 代名詞でもあるフルスイングを一閃。左打席から一塁ベースへ数歩踏み出した段階で、埼玉西武ライオンズの森友哉は9試合ぶりとなる今シーズンの第9号を、本拠地のメットライフドームに限れば8月12日以来の一発となる逆転弾を確信していた。曰く「完璧でした」と。 本拠地9連戦の初戦として、27日に行われた東北楽天ゴールデンイーグルスとの20回戦。1-3と2点を追う5回に、思わぬ形で西武にチャンスが転がり込んできた。先頭の9番・木村文紀のショートゴロを楽天のルーキー小深田大翔が一塁へ悪送球。1番・金子侑司もライト前ヒットで続いた。 ここで辻発彦監督は、2番・源田壮亮に送りバントを命じる。金子がレフト前ヒットで出塁した初回も源田に送りバントをさせ、手堅くスコアリングポジションにランナーを進めた理由を、開幕から不調に苦しんできた昨シーズンの首位打者、森の復調に指揮官は帰結させている。 「ここに来て集中力というか、バッティングが非常によくなってきているので。そういう状態なので、初回から源田に送らせました」 楽天の先発右腕、則本昂大も森を警戒していたのか。結果的に5番・外崎修汰のタイムリーで先制を許したものの、初回は外角低目に投じた149キロの直球で森を見送り三振に斬っている。一死一塁で再び森を迎えた3回裏も、一転して内角低めに食い込む147キロの直球でどん詰まりのサードフライに仕留めた。厳しいコースを攻める圧巻の投球は、一死二、三塁で迎えた5回も変わらなかった。 初球は内角低めの151キロの直球で空振りさせ、変化球のボールをはさんで、外角低めに再び151キロの直球を投じる。手が出なかった森は瞬く間に追い込まれ、同じコースに来た4球目をかろうじてファールに逃れた。何とか後続に繋ごう、という心境だったと森は試合後に明かしている。