思春期になっても親子の関係を壊さない叱り方 池江璃花子さんの母が教えるルール
2大会ぶりに個人種目でのパリ五輪出場を決め、その驚異の復活劇に注目が集まる競泳の池江璃花子選手。あきらめない精神は称賛を集め、また多くの人へと勇気を与えています。 【データ】東大生の男女300名の幼少期の習い事、1位が水泳、3位が野球。では2位は…? 指先と学力の見逃せない関係 そんな池江選手と2人の子どもの親であり幼児教室を運営する池江美由紀さんは、育児において「叱る」ことの大切さを説いています。多くの親が悩む子どもの叱り方について、池江美由紀さんの著書『子どもの心と才能が育つ【池江式】魔法の言葉』より紹介します。 ※本記事は池江美由紀著『子どもの心と才能が育つ【池江式】魔法の言葉』(PHP研究所刊)より一部抜粋・編集したものです
人格ではなく、行為を叱る
認めてほめて育てるのが、子どもの人間性を育てるときの基本です。 でも、ほめるだけでは不十分です。子どもが間違った行為をしたときには、それを正すために叱る必要があります。 最近の若いお父さん、お母さんは叱ることが苦手という方が多いようですが、叱るべきときにしっかり叱らないと、子どもが誤った方向のまま成長していきます。 「子育てには厳しさが必要」と、先ほども述べました。親自身が、自分の「叱りたくない」「叱るのは面倒」「子どもに嫌われたくない」という気持ちに打ち克って、子どもの将来のために叱る、ということを実践してほしいと思います。叱り方のポイントを三つ、お伝えします。
(1)人格ではなく、行為を叱る
叱るときに大切なことは、行為と人格を分けることです。そして、行為について叱ることです。人格を叱るのではありません。人格を叱るとは、たとえば、 「あなたは悪い子ね」「ダメな子ね」「あなたはいつもそうするんだから」 などと、子ども自身のことを悪く言ったり、貶めたり、子どもにマイナスのレッテルを貼ったりすることです。 人格を叱られた子どもは、自分を否定されたと感じます。これでは、「がんばって自分を伸ばそう」とか、「悪かった点は直して、今度はいい面で認められるようにしよう」という気持ちにはなれません。叱っても、親が本来望んでいたこととは逆効果になってしまいます。 叱るときは、行為を叱ります。たとえば、 「痛いから人を叩いたらいけないのよ」「危ないからこれに触っちゃいけないのよ」「道路に飛び出しちゃいけないのよ。車が来たら危ないからね」など。