<コロナ後遺症>いつ治る?気になる症状と脳への影響を解説
今回、WEBオリジナル企画「主治医の小部屋」で取り上げるのは「コロナ後遺症」について。収束に向かっている印象が強い新型コロナウイルス感染症だが、いまだ後遺症に悩み、漠然と不安を感じている人も。そこで正しく理解して対処するために、同番組のレギュラー・齋田瑞恵医師に症例や「コロナ後遺症」の現状について教えていただきました。 【動画】意外な症状や違和感から病気を早期発見!
半年~1年で回復に向かうケースが多い
Q: 40代女性です。3カ月ほど前に新型コロナウイルスに感染しました。その後、ストレスからか気分が沈んだ状態が続くようになり、咳も止まらないので病院に行ったところ「コロナ後遺症」と診断されました。まだけん怠感があり、咳も少しは治まりましたが続いている状態です。後遺症はどのくらい続くものなのでしょうか。また、コロナ後遺症は「脳の萎縮」が原因ともいわれていますが本当でしょうか? もし治らなかったら、と思うと不安です。 ――まずは「コロナ後遺症」の定義について教えてください。 新型コロナウイルス感染症の罹患(りかん)後症状、いわゆる「コロナ後遺症」にはさまざまな定義がありますが、基本的には新型コロナウイルス感染症にかかった後、はっきりした原因がないのに日常生活に支障が出る状態がしばらく続くことをいいます。また、世界保険機構(WHO)では「症状が少なくとも2カ月以上続き、他の病気の症状として説明がつかないもの」などとしています。 ――相談者は咳が止まらない、気分がすぐれないとのことですが、代表的な症状は? 関節痛や筋肉痛、息切れや睡眠障害などさまざまですが、代表的なのは疲労感・倦怠(けんたい)感。あとは頭がぼんやりして思考や集中が困難になる「ブレイン・フォグ(脳の霧)」など。初期の新型コロナ株は、咳嗽(がいそう、長引くせき)が主な症状でしたが、最近の変異株は、味覚障害や倦怠感、脱毛、ブレイン・フォグといった症状が多い印象です。 ――後遺症はどれくらい続くのでしょうか。 漢方で治療した例でいくと、倦怠感やブレイン・フォグなど病因が特定しにくい病態の場合、だいたい半年から1年続くようです。半年ほどすると日常生活に困難がなくなり、休職されていた方が復職するケースも多いですね。味覚障害の場合は3カ月ほどで大半の人が症状が落ち着いていくといわれています。 現在、後遺症の原因ははっきりしていないため、確実に治るというような治療法は確立していません。そのため、それぞれの症状に応じて処方を変えているのが現状です。