<コロナ後遺症>いつ治る?気になる症状と脳への影響を解説
後遺症を疑う前に受診して原因を突き止めよう
――相談者は脳の萎縮を恐れているようです。 後遺症によって脳の萎縮があるのかといえば、可能性はないとはいえませんが、現時点では、はっきりと解明されていません。 認知機能が著しく悪くなってきたと感じるようでしたら、まず脳の専門医に相談を。脳に問題がなければ、そこで初めてブレイン・フォグなどの可能性が出てきます。 これは、コロナ後遺症の他の症状にも当てはまる話です。関節痛や筋肉痛、せきやたん、息切れや下痢、腹痛、睡眠障害などは、新型コロナに感染しなくても起こることはあります。はじめからコロナ後遺症が原因だと決めつけず、まずは病院へ行き、いま治療法が明らかになっている病気を見つけることが先決です。 ――改めて感染を防ぐためにどんなことを心がければいいでしょうか。 事前にワクチンを打っておくことで、後遺症の罹患率を減らすといった研究もされています。とはいえ、予防接種により減らせるリスクは、症状などによって異なるといわれるので、必ずしも「ワクチンを打てば大丈夫」とは言い切れません。まずは手洗いとかうがいをする、体をしっかり温めるなど、今後もインフルエンザ同様に、新型コロナウイルス感染症や風邪にかからない対策を徹底していくことが大事です。 ―― 齋田先生、ありがとうございました。 【齋田瑞恵医師 プロフィール】 順天堂大学医学部(東京都文京区)総合診療科学講座准教授、 順天堂病院総合診療科医局長。 公益財団法人 星総合病院(福島県郡山市)総合診療科。 日本内科学会認定内科医、総合診療専門医、日本プライマリ・ケア連合学会プライマリ・ケア認定医、日本東洋医学会会員、日本医師会認定産業医、日本総合健診医学会 ・日本人間ドック学会人間ドック健診専門医。 西洋医学と漢方を融合させ、女性ならではの総合診療に定評。コロナ後遺症、ワクチン後遺症の治療にもあたっている。一番の関心ごとは鉄欠乏症。もともと地球は鉄の惑星という視点から人類を救いたいと願っている。2女1男を持つワーキング・ウーマン。 ※この記事は齋田瑞恵医師の見解に基づいて作成したものです。 ※「主治医が見つかる診療所」より