はやぶさ2の状況は? JAXA会見(全文2)「ONE TEAM」を構築できた
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は19日午後、記者会見を開き、小惑星リュウグウでのミッションを終え、帰還途中の探査機「はやぶさ2」の現状について説明した。 【動画】「はやぶさ2」の状況は? JAXAが会見 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「「はやぶさ2」の状況は? JAXAが会見(2019年12月19日)」に対応しております。 ◇ ◇
NECの具体的な貢献内容
佐伯:次のページは、NECさんが具体的にどういう貢献をしていただいたかということで、非常にまず大きいのは、もちろんシステムメーカーで探査機のことは本当に非常に良く分かっています。なので探査機の状態ってのはNECさんに懸かれば一瞬で把握できるということで、不具合とかが必ず運用のどこかで起こるんですけど、そういうものに対しても一瞬で対応できるということですね。特に連休の前とかに不具合が起こると、すごい早さで対応して復旧していくということがありました。 あと、次のポチは緻密な計画文書の作成と変更管理って、特に「はやぶさ2」チームのJAXA側が得意としてないところなんですけど、非常に大ざっぱなことは言うんですけれども、完全な決め事をまとめていくというのは本当に素晴らしいものがありまして、これなくしては本当に運用できないんですけれども、運用計画書とか、その改訂、これをちゃんと管理していただいたということで今回の成功につながっているかなと思っています。
手順書は基本的にNECが作成
その一方、実際に運用に使う手順書に関しては基本的にはNECさんが作っていただいてくれました。例えばですけども、非常に膨大で、例えばタッチダウンの手順書の行数をあとで数えてみると、8万行以上にわたるような手順書です。なので、こういったものを十何個、作っていただいて、降下運用全体でも120万行以上の非常に膨大な手順書を作っていただいて、これにミスがあっていけないので、われわれJAXAとNECさんで両方で作ったあとにレビューをするみたいなことも行っています。これも数字を出させていただくと、1000件以上の改善とかっていうのを総合チェックで見つけております。さらに、運用実施に向けて、JAXA側は大ざっぱにスケジュールを決めるんですけども、実際にスケジュールを守る、その運用を確実に実施する準備ができるための管理っていうのはNECさん、非常に厳しくやられていまして、JAXAからの情報提供がここの日までに必要だっていうのがあるのを、少しでも遅れると素晴らしい追い込みをかけていただきました。それぐらい厳しくやっていただいて、非常に正しい運用ができたというふうに思っています。 それと、最後が大事だと思いますけれども、JAXAとNECというのは同じ土俵で議論ができるということで、われわれが言うことが、できないことはNECさんはできると言うわけではなくて、ちゃんとできませんというようなことを言えるような関係ですね。はやりの言葉で言うと「ONE TEAM」を構築できたなというふうに思っております。 次のページが、これはNECさんとJAXAがやったことの1つの一例ですね。特にわれわれ、タッチダウン1に向けていろんなものを変えなければいけないということで、非常に大変でした。ここに書いてあるように、リュウグウの平坦領域がほとんどなかったということで、非常な難しい、この運用は難しいということをお互いが認識して、いろんな方法を模索して、元々の当初計画から大幅に方針転換する必要があったわけです。ご存じのとおり、ターゲットマーカーを事前分離するという方式に変えましたし。