はやぶさ2の状況は? JAXA会見(全文2)「ONE TEAM」を構築できた
探査技術の進化の点でも大きな収穫
最後にタッチダウン1とか2、これを成功させたときに、「はやぶさ2」のNECさんのメンバーも、もちろん成功の喜びを分かち合ったんですけれども、「はやぶさ」時代の多くのNECさんのシステム、シニアメンバーの方々から喜びとお祝いのメッセージをいただきました。これはわれわれにとっても非常にうれしくて、われわれにとっては、「はやぶさ2」をやっているメンバーにとっては大先輩に当たる方々です。 「はやぶさ2」が、「はやぶさ」初号機の残していった宿題、これを「はやぶさ」のマネジメントの良い部分を踏襲する形で完璧に果たせたことで、1号機の頑張っていた方々にも喜んでいただける結果になった。探査技術としても「はやぶさ1」をベースにして、きちんと「はやぶさ2」にステップアップできたという、探査技術の進化の点でも大きな収穫であったんじゃないかというふうに考えております。 JAXAの資料はいったんここでスイッチしまして、NECさんにお話しいただこうと思います。
クリティカル運用を技術支援
大島:NEC側でプロマネを務めています大島です。よろしくお願いします。先ほど、これ以上はないんじゃないかという総括をしていただいてしまったので、これ以上、何を付け加えるんだという感じがしますけれども、少しお時間をいただいてご説明をしたいと思います。資料のほう、代わりましてNECの資料の5ページ目のほうから話をしていきたいと思います。 まず、NECの関わりということで、一般の方はなかなかご存じがない方もいらっしゃるかもしれませんが、NECはJAXAさんのご指導の下、多くの搭載機器を供給して、探査危機全体の設計・製造・試験を実施して、クリティカル運用を技術支援してきました。衛星全体の設計・製造・試験もそうですが、それを構成しているサブシステム、具体的には電源系、通信系、データ処理系、姿勢軌道制御系、イオンエンジン系、サンプラ系、熱制御系、構造系、電気系統といった、それぞれのサブシステムの設計・製造・試験を行ないました。また、これを構成するほとんどの機器の供給も行なっています。 また、探査機側だけではなくて、地上システム側についても、衛星にコマンドを送る衛星管制装置とか、また、局運用管制装置等を担当させていただいております。また、このクリティカル運用に当たっては運用技術支援ということでサポートさせていただきました。特に小惑星に降りていく運用はクリティカル運用ですので、そこは弊社側としても3交代24時間体制を組んでサポートしていきました。そういったところです。 私は初号機からの担当なんですけれど、このあと若手の益田のほうに話を継いでいきます。