意外に知らない…分数を小数にしたときに、3.14159…のような「不規則にずっと続く数」が現れないワケ
数学を楽しみ,問いを掘り下げ,「数」や「図形」の世界についてより深く理解するための道筋を自らたどることができる「数学的なセンス」。 【画像】中学数学で十分…「フェルマーの最終定理」を座標に取ったら、面白い形に 〈理系に強い子ども〉に育てたい親御さんが増えていますが,「数学センス」を磨くことがその近道です。そしてそのエッセンスは,じつは「中学数学」に詰まっているのです! 「新しい時代の新しい勉強法」をご紹介する『中学数学で磨く数学センス』から,数学を楽しみ,「数学センス」を磨くためのポイントをご紹介しているシリーズ。前半に続いて,円周率(3.14159265358…)のような,いつまでも不規則に数が並び続ける小数が現れない理由を探っていきます。 *本記事は、『中学数学で磨く数学センス』(ブルーバックス)を抜粋・再編集したものです。
「不規則に数が並び続ける小数」は、なぜ現れないのか
真分数(分子が分母より小さい分数)を小数で表した際に,円周率= 3.141592653589793238462643383279502884197 169399375105820974944592307816406286208998628034825342 117067982148086513282306647093844609550582231725359408 128481117450284102701938521105559644622948954930381964 428810975665933446128475648233786783165271201909145648 566923460348610454326648213393607260249141273724587006 のような,「いつまでも不規則に数が並び続ける小数」が現れない理由を考えてみよう。 まず,1/7の余りに注目してみる。 1を7で割った商は,小数に現れている0, 1, 4, 2, 8, 5, 7,…であり,余りは1, 3, 2, 6, 4, 5, 1, …である。余りに0が出てくれば,そこで割り切れることになり,有限小数となる。 自然数を7で割った余りは,割り切れる場合の0を除いて1から6までなので6種類である。 1/7ではそのすべてが現れ,1に戻ってくる。1に戻ってきたら,後はまた同じ計算をすればよいので,商は1, 4, 2, 8, 5, 7,余りは3, 2, 6, 4, 5, 1の順に出てくるので循環することがわかる。 1/3は10÷3の余りが1なので,3のみが続く。