体操・宮田笙子の「五輪辞退」はどのくらい妥当だったのか 「当然」から「あまりに重い」に分かれた世論
日本体操協会は口頭で厳重注意
12月7日、日本体操協会は理事会を開催し、パリ五輪直前に飲酒、喫煙問題が発覚し、代表を辞退した宮田笙子選手(20)について、第三者機関の調査結果を公表。倫理規定に基づいた処分は行わず、会長による厳重注意とした。 【写真】しなやかに躍動する太ももが、テーピングでがっちりと固定される痛々しい姿……。傷だらけで「五輪の切符」を掴んだNHK杯での宮田選手 宮田選手は、19歳だった今年7月、都内のナショナルトレーニングセンターの自室で飲酒や喫煙をしていたことが確認され、日本体操協会の行動規範などに違反したとして、パリオリンピックの出場を辞退し、その後第三者委員会が聞き取り調査を行っていた。 日本体操協会は、第三者委員会による聞き取り調査の報告を受けて、飲酒と喫煙の事実はあったものの「すでに大きな代償を払い、十分反省している」などとして、口頭での厳重注意とした。 炎上時は「五輪辞退は当然」という厳罰派と「たかだか酒とたばこくらいで」という擁護派が真っ向から対立した。ただ、どちらかといえば少なくとも表に出ている意見としては、前者のほうが優勢、多数派だった。 もっとも、法的に見た場合、この「辞退」という名の実質的な「出場権剥奪」はかなりグレーな決着方法だったともいえるようだ。 問題の本質はどこにあったのか。 (以下、2024年7月19日配信記事をもとに、再構成しました。日付や年齢、肩書などは当時のまま)
「協会の厳しい対応は致し方なかった」の声
五輪を目前に控えたタイミングでのトラブル発覚について、「選手にとって4年に1度のチャンスを飲酒や喫煙くらいでつぶしていいのか」という声は当時からよく聞かれた。さらには国費で強化した選手を出場させるほうが国益では、という意見も。 だが、スポーツ紙記者によれば、 「たしかに、“たかがたばこと酒で……”“宮田選手を批判する人は自分の大学時代を思い出した方がいい”といった声もあるようですが、正直なところ、協会の厳しい対応は致し方なかったと思います。協会の行動規範以前に、そもそも、未成年者の飲酒や喫煙は日本の法律で禁じられているわけです。日の丸を背負って五輪に出場する日本代表選手の行いとして、問題視されるのは当然といえます。少なくとも、これまで五輪の日本代表選手が“未成年者の喫煙や飲酒”によって取り沙汰されたことは記憶にありません」