2025年は「分散化の年」に──ビットコインからDePIN、検索まで5つの予想
4. タイム誌がアンドロイド・オブ・ザ・イヤーを選出
2025 年、タイム誌の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」は、人間ではないだろうと予測している。98年間の歴史で初めて、2025年は、私が「ミセス・ヒューマノイド」と呼んでいる存在に対して賞が贈られるだろう。これは、AI(人工知能)とロボットの台頭、および両者の人間社会への統合を象徴する複合キャラクターだ。 このヒューマノイドロボット(または「ガイノイド」と呼ばれることもある)は、医療から教育まで、さまざまな分野でこの2つの技術がもたらす驚くべきインパクトを体現し、人間と機械の労働の境界を曖昧にする能力を実証するだろう。タイム誌は過去にも物議を醸す人物を選んだことがあるが(1938年の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」を参照されたい)、ロボットを選ぶことに少しも奇妙なことはないと思う。さらに言えば、ロボットを表紙に載せないのは無責任であろう。 ロボットの急速な台頭は、AIの倫理、そして労働、プライバシー、人間のアイデンティティがどのように再定義されるかについて世界的な議論を巻き起こすはずだ。こうした変化の多くは非常に前向きなものだが、倫理的に怪しいものやまだ不明瞭なものもあり、そのいくつかは非常に憂慮すべきものになる可能性がある。したがって、この議論は、今世紀を特徴づける問題の1つである気候変動と並行して行われるべきである。タイム誌の表紙をミセス・ヒューマノイドが飾ることは、特に規制当局や立法者の意識を、このような高度な AI システムがもたらす課題に対処し、機会をつかむための新しい規制枠組みをどのように築くかに集中させる重要なステップとなるだろう。
5. 従来型の検索はAIに淘汰される
2024 年は、知らないことを「グーグル検索」する最後の年になるだろうか。生成AI アプリケーションの登場により、そう考える理由は十分にある。 チャットGPT(ChatGPT)や、パープレキシティ(Perplexity)などのツールは、25 年前に グーグル(Google)が登場して以来、検索に最も大きな変化をもたらした。AI の力を活用すると、セマンティクスを理解する能力のおかげでより正確な結果が得られるだけでなく、検索のダイナミクスも変わる。 これらの新しいアプリケーションはチューリングテストを見事に乗り越え、そして料理から哲学まであらゆることについて人々が有意義な会話を行えるようにする。そのため、これらは我々のテクノロジーに対する感情への根本的な変化を体現し、Google の長期にわたるほぼ完全な独占に代表される「従来の」検索は、まさに先史時代のものに見えてくる。 インターネットの出現が、何よりも大事なGoogleの検索結果1ページ目をめぐって争うブランド間の「SEO競争」を引き起こしたように、2025 年には、AIを活用した検索の時代において関連性を維持する方法を企業が考え始めるだろう。 私たちが目にするだろう最大の変化の1つは、Webサイトの進化だ。Web サイトは、人間ではなくAIエージェントに対応するように益々なっていく。2025 年には、Webドメインが新たな重要性を帯び、最も成功するブランドは、オンチェーンドメインを活用して消費者データを保護し、AI機能を統合し、オーディエンスに対して革新的なオンライン体験を提供するブランドとなる。 これらの予測がすべて実現するか、一部が実現するか、まったく実現しないかは別として、疑いの余地が無いことが1つある。2020 年代後半に入ると、分散化はもはや未来ではない。誰にとっても逃れられない、切り離せない現実の一部となる。 |翻訳・編集:T.Minamoto|画像:Shutterstock|原文:2025 Will Be the Year of Decentralization: 5 Predictions
CoinDesk Japan 編集部