【一問一答】新ロシア大使を直撃!
■トランプ氏再選の場合「楽観的に見る余地はない」
──トランプ氏はロシアとウクライナを停戦させると話しているが、停戦交渉のテーブルにつくことはあり得るのか? 第一にトランプ氏の考え方がわからなければいけない。大統領になって、まわりの人と相談して最終的に出すと思う。交渉については、しっかりとした提案があれば可能性は十分ある。これまで交渉に積極的に取り組んできた流れがあるが、残念なことに成功していない。 ──トランプ氏が大統領になった場合、ウクライナ支援や欧米の結束が乱れる可能性もあるがどう考えるか? トランプ氏もここ数年変わったと思う。大統領になれば新しい点が出てくると思う。今予想するのは不可能だ。 ──内々に話を通じていることは? それはないと思うが、ロシア、アメリカ関係にとっては極めて複雑な時期だった。楽観的に見る余地は全くないと思う。 ──トランプ大統領になっても状況は変わらないと思うか? おそらく最終段階はあまり変わらないのではないかと思う。
■アメリカ人記者拘束「プロなら線引きわかるはず」
──アメリカのウォールストリートジャーナルの記者がスパイ容疑で収監されているが、どういうことなのか? こうした活動をするとこのような状況になるというのは重要なことだと思う。今回が初めてアメリカ人が拘束された事件ではないと思う。今までも何回もスパイ活動をして最終的にロシアの法的機関によって拘束されたケースは多かった。 ──国連人権理事会の作業部会は根拠もなくスパイだと主張した恣意(しい)的な拘束だと認定したが? それはまったく根拠がないと、私は個人的に思っている。ご存じの通り、私は2007年から2010年までロシアの北米局で課長をつとめていたが、こうした事件は時々起こる。残念なことに、明らかなスパイ行為だといえる。 ──取材なのにスパイ行為に見えてしまうと? それは取材ではなくて、実際にしている行動や情報による。その線引きはプロのジャーナリストならわかるはずだ。