「親たちには『訓練に送り出した』と嘘を騙り、いきなりウクライナ戦争の最前線へ」…死地へ送られた若き兵士たちが《ほぼ全滅する》可能性が高い「酷すぎる理由」
北朝鮮の金正恩総書記は、今年に入ってから大きな判断ミスを重ね、いよいよ破滅へ向かって下り坂を転がり始めたように見える。 【写真】こんな北朝鮮、見たことない…!写真家が29年間撮り続けた「凄すぎる光景」 その最大の失策が二つ。一つは、1948年の朝鮮民主主義人民共和国建国以来、金日成や金正日など金総書記の親族である歴代の最高指導者たちが、祖国や民族の至上命題として掲げていた朝鮮半島の統一という国家目標を捨てたことであり、もう一つは、ロシアによるウクライナへの侵略戦争に加担させるため、何千人ものうら若き兵士を戦地に向けて派遣したことである。
すでに北朝鮮の国民は派兵を察知
それでなくとも、長年にわたる経済制裁や大規模災害などで一向に向上しない北朝鮮国内の食糧生産体制の下、飢えと貧困で疲弊しきっている多くの国民は、積年の念願であった同一民族である(一部には血のつながりのある親戚も暮らしている)韓国との統一という夢も消え果てた。加えて、軍隊に徴兵されている子供を持つ親たちは、何の大義もない他国の戦争に、何の説明も通知もないままわが子を投入された。 韓国国家情報院によると、派遣兵士の親たちには「訓練に送り出した」と、虚偽の情報を伝えているとされている。しかし、すでに口づてに、ロシアとウクライナとの戦争に若い兵士らを派兵したことが国民の間に知れ渡りつつあるようだ。 ロシアから経済的な見返りや兵器に関わる技術供与を得るための行動とはいえ、派遣兵士の家族らは、戦地に派遣されたことを伝えられていないため、未だに国から多大な報酬を受けたような形跡はなく、もはや、金正恩政権に対して、多くの国民が絶望的な感情を抱いているということは、北朝鮮国内に情報源を有する韓国のメディアからも伝えられている。
北朝鮮の若い兵士たちはウクライナ軍に狙われる
ウクライナの一部報道機関では、真偽のほどは不明ながら、「10月25日、ウクライナ軍が占領中のロシア西部クルスク地域ですでに北朝鮮軍と初めての戦闘が起きた」と報じられている。一方で、ウクライナ情報総局は同27日、「ロシアに派兵された北朝鮮軍の兵士が民間車両を利用して最前線に輸送されている状況をとらえた」と公表した。 このような中、米国防総省は28日、北朝鮮が戦闘に加わった場合、米国はウクライナによる米国が供与した兵器の使用に新たな制限を課さないと発表した。29日には、バイデン米大統領も、ウクライナに侵入した北朝鮮軍には反撃すべきだと発言している。 今後、北朝鮮の兵士がウクライナとの戦闘に参加した場合、北朝鮮軍に多くの戦死者が出る可能性が極めて高い。 たった数ヵ月の訓練で、北朝鮮軍の部隊とロシア軍が緊密に連携して有効な作戦が遂行できるとはとても思えない。敵(ウクライナ軍)の装備はもちろん、味方(ロシア軍)の装備に関しても未熟であり、戦地ではどのような兵器が使用され、どのような戦闘が展開されているか、北朝鮮の若い兵士たちは、ほとんど理解しないまま最前線に送られていると見られる。