【一問一答】新ロシア大使を直撃!
■西側諸国の武器供与が“市民の苦しみ長引かせる”
──今後、核兵器の使用に至る危険性はあるか? それは、まずないと思う。西側諸国はさらなるエスカレーションをしないように、今の状況はきわめて複雑だという考え方をはっきりと示すことだと思う。 ──状況がエスカレートしていく道しかないのか? アメリカと違い、グローバルサウスの国でブラジルや中国は平和のためのいくつかの提案を出している。それに対して、ロシアも極めて高く評価している。問題は、西側諸国のスタンスだと思う。自分がウクライナに兵器を提供して戦わせるという基本的な立場は根本的に間違っていると思う。最終的にそれはウクライナにとって手助けにはならず、市民の苦しみが長引く結果を招くのではないか。
■G7中心の枠組みは「変わりつつある」
──プーチン大統領が中国、インド、北朝鮮と相次いで首脳会談をした。「反アメリカ」「対米の枢軸」を意識か? それは恐らくそちらの感じ方だと思うが、全く違ったものだと私は個人的に思う。実は、ロシアは国際舞台においては極めて肯定的な将来に向けたアジェンダを推薦している。 そのアジェンダは我々の良きパートナーでもあるグローバルサウスの国がよく理解している。今まで共通の問題解決のための回答を探るために数多くの国といろいろと協力している。中国もインドもそうだと思うが、中央アジア諸国は、依然として伝統的にしっかりした関係を持っており、これからもあらゆる分野においても協力していきたいと思う。 グローバルサウスの中に経済力・政治力を上げている国はたくさんあって、もっと平等な世界を作りたいと基本的に考えている。西側諸国については、国際貿易を見るといろいろ障壁を作っている。それに対しては、グローバルサウス諸国からは不満の声が出ている。これらの国はお互い力を合わせて自分の利益に沿ったアジェンダを率先していきたいと思っている。G7を中心とした現在の枠組みは今変わりつつある。
■中国・インドは「極めて重要」、北朝鮮は「隣国」と表現
──中国は欠かせない存在か? 中国はロシアにとって極めて重要な戦略的パートナーで、中国は13年にわたり、ロシアの貿易第一相手国だった。ロシアは中国の第三の相手国になった。これからも発展していきたい。 ──インドは必ずしもロシアを全面的に支持ではなく、やはり、インドはインドで西側諸国とのコミュニケーションも考えているように思うが… 日本を例に挙げましょう。日本は全面的にアメリカを支持しているか? ──日本は日本の主権を持って… どの国も自分の主権をもって自分の利益を大事にして国際協力をしていると思う。インドも全く同じだと思う。インドはロシアにとって戦略的にきわめて大事なパートナーで、その二国間関係は長い歴史を持っている。本当に複雑な状況においては協力を行ってきたと思い、これからも二国間関係の歴史を大事にして新しい未来も作っていきたい。上海協力機構も、BRICSも重要だと思う。 ──北朝鮮とは「包括的戦略パートナーシップ条約」を結んだが? 北朝鮮はロシアの隣国なので、ロシアとしては隣国とできれば良い関係を築いていきたいと基本的に思う。「包括的戦略パートナーシップ条約」の重要なところは、さらなる協力の土台を作るということ。