人事パーソンのリアルな悩みが表れた、『シン・人事の大研究』読書会
書籍『シン・人事の大研究 人事パーソンの学びとキャリアを科学する』が多くのHR関係者に読まれ、読者レビューでも好評だ。当書籍は、人事部門で働くビジネスパーソンたちの仕事・学び・キャリアを調査するプロジェクト『シン・人事の大研究』をまとめたもので、令和時代の人事パーソンの悩みや考え方がわかり、課題解決の気づきを読者にもたらしてくれる。そして、著者3人をゲストに招いた読書会にはさまざまな企業の人事担当者が集い、“人事仕事の現在”を共有した。「HRオンライン」が、その様子をつぶさにレポートする。(ダイヤモンド社 人材開発編集部) 【この記事の画像を見る】 ● 対面とオンラインで開催された、平日夜の読書会 今年(2024年)7月に刊行された書籍『シン・人事の大研究 人事パーソンの学びとキャリアを科学する(*1)』(田中聡、中原淳、『日本の人事部』編集部著/ダイヤモンド社刊)――その刊行から2カ月ほどがたった9月半ば、「人事パーソンの学びとキャリアを語り合わNight!」と題する著者参加の読書会が開催された。著者参加の読書会は、昨年(2023年)にも、書籍『人材開発・組織開発コンサルティング 人と組織の「課題解決」入門』(中原淳著/ダイヤモンド社刊(*2))で、中原淳先生とともに行われたが(*3)、それはオンラインのみだった。今回は、東京都内にある人事関連の書籍を集めた人事図書館(*4)で、リアルとオンラインのハイブリッド形式で開催された。 *1 『シン・人事の大研究 人事パーソンの学びとキャリアを科学する』 *2 『人材開発・組織開発コンサルティング 人と組織の「課題解決」入門』 *3 HRオンライン「立教大学・中原淳教授の書籍が、“オンライン読書会”の参加者に伝えたこと」 *4 人事図書館(東京都中央区日本橋蛎殻町1-12-7 WACROSS NINGYOCHO 6F) 会場となった人事図書館は、東京メトロ・都営地下鉄/人形町駅近くの建物内にある。「人事図書館」というネーミングから堅い空間をイメージしていたが、足を踏み入れると、落ち着いた雰囲気の、とてもアットホームな場所だった。今回の読書会では、参加者の多くが床に置かれたクッションに座るスタイルで、緊張を強いず、話しやすい空気になっていた。 書籍の著者である、立教大学経営学部教授の中原淳先生、立教大学経営学部准教授の田中聡先生、『日本の人事部』の長谷波慶彦さん(クリエイティブ部編集課編集長)の3人に加え、仕事帰りと思われる参加者たちも続々と会場に集まってきた。週半ばの水曜日の夜、仕事で疲れているはずの時間にもかかわらず、参加者の表情は期待に満ちているように見受けられた。書籍を読み、「著者の話を聞いてみたい」「人事パーソン同士で語り合いたい」という思いがあるのだろう。読了していた私も、さまざまな調査データの掲載や各章末の人事パーソンのインタビューなど、一人ひとりの人事パーソンに寄り添う内容の書籍に魅力を感じていた。書籍の編集を担当した広瀬一輝さん(ダイヤモンド社)が、イベント前に、私にこう語ってくれた。 「人事パーソンのインタビューの際、一筋縄では解決できない困難な課題に直面しながらも、どなたも取り組みの過程やご自身の学びを楽しそうに語っているのが印象的でした。今後、人事部の重要性はますます高まっていくでしょう。本書を通して、人事の仕事の意義ややりがい、楽しさを再発見してもらえると嬉しいです」 働き方改革、ウィズコロナ、人的資本開示、早期化・長期化する新卒採用……昨今、企業の人事部の仕事は多岐にわたり、担当者の多くは、仕事の意義を見いだすのが難しいくらいに多忙なようだ。今回の読書会は、そんな人事パーソンたちに、何らかの “気づき”をもたらすのではないか――参加者を見渡して、私はそう思った。