なぜ森保監督は香川と乾を招集しなかったのか?
10月の国際Aマッチシリーズ、パナマ代表(12日・デンカビッグスワンスタジアム)及びウルグアイ代表(16日・埼玉スタジアム)とのキリンチャレンジカップ2018に臨む日本代表メンバー23人が4日、発表された。 FIFAランキング5位のウルグアイの遠征メンバーには、強さと速さ、上手さを兼ね備えた強力2トップ、ルイス・スアレス(FCバルセロナ)とエディンソン・カバーニ(パリ・サンジェルマン)が加わる予定で、11月シリーズを含めた国内5連戦のなかで最も強敵となる。その絶好の舞台へ森保一監督(50)はワールドカップ・ロシア大会で西野ジャパンの主軸を担ったヨーロッパ組を復帰させた。 後半アディショナルタイムに喫したゴールで無念の逆転負けをしたベルギー代表との決勝トーナメント1回戦以来、約3ヵ月ぶりに招集されたのは6人。32歳のDF長友佑都(ガラタサライ)を筆頭に吉田麻也(サウサンプトン)、酒井宏樹(オリンピック・マルセイユ)、MF柴崎岳(ヘタフェ)、原口元気(ハノーファー96)、そしてFW大迫勇也(ベルダー・ブレーメン)が再び日の丸を背負う。 東京・文京区のJFAハウスで記者会見に臨んだ森保監督は、「本来ならば全員を見てみたい思いがある」と断りを入れながら、あえて6人にとどめた狙いをこう明かしている。 「前回招集した選手たちと今回の選手たちとで、チームとしてどのような化学反応が起きるのかを、試合やトレーニングのなかで見ていきたい。ロシア大会に出場した選手たちは長いキャリアを積んでいるので、言葉とプレーで若い選手たちに経験を伝えていって、チームとしていろいろなものを継承してほしい」 ロシア大会で主軸を担った選手たちのうち、3大会連続でキャプテンを務めたMF長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)は代表からの引退を表明。 チーム最年長だった35歳のGK川島永嗣(RCストラスブール)と、大会中に急成長を遂げたDF昌子源(鹿島アントラーズ)も前回に続いて選外となった。 川島はゴールキーパー陣の世代交代、昌子には7月末に痛めた左足首の回復が長引いているという事情がそれぞれある。 対照的にMF香川真司(ボルシア・ドルトムント)と、2ゴールをあげる大活躍を演じたMF乾貴士(レアル・ベティス)には、特別な理由もないまま今回も声がかからなかった。 ロシア大会の代表メンバーから、森保監督は最終的には19人を入れ替えて初陣となった9月シリーズに臨んでいる。しかも、残る4人のなかでロシアのピッチに立ったのはDF槙野智章(浦和レッズ)だけ、という陣容にした理由を指揮官はこう説明する。 「ロシア大会で出場機会が少なかった選手と、リオデジャネイロ五輪世代よりも下で可能性のある、海外で活躍している若い選手でチームを作ろうと考えていました」