森保ジャパンよ、FIFAランク130位インドネシアを侮るなかれ! インドネシア1部リーグ所属・丸川太誠が語る新興国の〝強み〟
サッカー日本代表は、15日に敵地で2026年W杯アジア最終予選第5戦、インドネシア戦に臨む。21-22年にインドネシア1部リーグで最優秀選手を受賞したMF丸川太誠(27)=デワ・ユナイテッド=が12日までにサンケイスポーツのインタビューに応じた。強豪国オランダからの帰化選手を急速に増やし、ここまで3分け1敗と健闘している新興国の内情を明かした。(取材構成・山下幸志朗) 【写真】インドネシア代表、オランダ生まれのJ1C大阪のDFジャスティン・ハブナー 成長著しいインドネシア。同国リーグで今季4年目を迎えたMF丸川は、レベルアップを日々感じているという。 「(昔は)W杯に行くのは夢だったけど、今は目標。『行けるんじゃないか』ってみんな言っているので、少し現実味を帯びてきたと思います」 最終予選はここまで3分け1敗。オランダ領東インドとして出場した1938年フランス大会以来のW杯出場を目指している。FIFAランキング130位だが、堅守速攻を武器にサウジアラビアやオーストラリアとも引き分けて、粘り強く勝ち点を拾ってきた。 躍進を支えるのが急増する旧宗主国のオランダなどからの帰化選手だ。「ガラッと(選手が)変わったので、違うチームと考えた方がいい」と丸川。日本に1-3で敗れた1月のアジア杯は、まだ先発の半数程度はインドネシア出身選手だったが、10月の最終予選では大半が帰化選手となった。「ローカル(同国出身)選手が出るのはかなり難しい」状況になっており、帰化選手でもベンチを温めることがあるほどだ。 今年2月、かつてイタリア1部インテル・ミラノの会長を務めたエリック・トヒル氏が同国協会会長に就任。それ以降、国内リーグの外国人選手ではなく、インドネシアにゆかりを持ち、欧州でプレーする選手を帰化させる方針が強まった。今回の代表メンバーは27人中、半分以上が帰化選手で12人が欧州でプレーするなど選手の質も一層高まっている。 国内では「オランダのBチーム」、「ほぼオランダ代表」などと揶揄する声も一定数はある。それでも、家系のどこかに同国の血が入っている選手がほとんどであるため、「サポーターは相変わらず熱い」という。 要注意選手はオランダ出身のGKパエス(FCダラス)。米メジャーリーグサッカーで100試合以上に出場している経験豊富なGKは最終予選から代表入りした。低身長や、経験のあるGKコーチがいないことで国内では良い選手が育たず「長年の課題だった」という守護神問題を世代別のオランダ代表歴もある192センチの大型GKは一気に解決した。また、「遠いとこからでもシュートを狙ってくる」というFWストゥルイク(ブリスベン・ロアー)の一発にも警戒が必要だ。