なぜ森保監督は香川と乾を招集しなかったのか?
中島、南野、堂安ら若手起用を優先
9月7日に予定されていたチリ代表戦が、前日に発生した北海道胆振東部地震の影響で中止。コスタリカ代表との1試合だけとなった9月シリーズでは23歳のMF南野拓実(ザルツブルク)、20歳の堂安律(FCフローニンゲン)、そして24歳の中島翔哉(ポルティモネンセSC)が躍動して、スタンドの喝采を浴びた。 そろってロシア大会の代表入りを視野に入れながら、ヨーロッパの地で心技体を磨いた。特に中島はハリルジャパンの最後の活動となった、3月のベルギー遠征で念願の初招集。マリ代表戦で初ゴールを決める鮮烈なデビューを飾りながら、直後にヴァイッド・ハリルホジッチ監督が解任された煽りを受ける形で、西野ジャパンには招集されずに終わっている。 「それはあまり気にしていないというか。家族と一緒にいられる時間が多かったので楽しかった」 ファンとしてテレビ越しに見たロシア大会をこう振り返った中島だが、もちろん悔しくないはずがない。 ポルティモネンセに続いて森保ジャパンでも、自ら「特別な番号」と位置づける「10番」を託され、コスタリカ戦では緩急を随所に織り交ぜた、変幻自在なドリブル突破で相手守備陣を手玉に取り続けた。 2-0とするA代表ゴールを決めた南野。そして、ガンバ大阪時代に慣れ親しんだパナソニックスタジアム吹田で物怖じすることなくプレーした堂安。先発として前線に送り出した若手トリオに「チームのコンセプトのなかで、それぞれがもっている特徴を思い切り出してくれた」と大いなる手応えを感じたからこそ、森保監督は引き続き代表のリストに彼らの名前を書き込んだ。 さらにはボールキープ術とポストプレーに長けた大迫と組ませ、大迫がさまざまな形でタメを作るなかでどのようなコンビネーションが生まれるのかも見てみたいのだろう。 中島は乾と、南野は香川とポジションが重なる。 大迫、香川、乾の相性のよさはわかっているという事情もあるものの、現時点では若き挑戦者の序列が、森保監督が描く構想のなかでは上ということになる。