「予習」を通して中学受験に必要な論理力や読解力を養う! 四谷大塚の中学入試報告会2024をレポート
70年の歴史がある中学受験の老舗大手塾、四谷大塚は2024年の入試をどう分析しているのか。また四谷大塚はどう対応しているのか。 2月28日、大宮ソニックシティ小ホールで四谷大塚の2024年の中学入試報告会が行われた。496席の客席は、前方から埋まっていき、会が始まると保護者たちは熱心にメモを取っていて、「日本一、教育熱心な地区」ともいわれる大宮らしい風景が繰り広げられた。 解答欄からはみ出ると0点という中学も!実際の答案を見る
「団体戦」として受験を乗り切る
前半は「第一部 中学入試で求められる力とは」と題して、教育事業本部、成瀬勇一本部長が登壇し、中学受験の現状とそれに対して四谷大塚がどう対応しているかを紹介する。 まずは受験生と保護者が受験勉強を振り返ったインタビュー動画が放映される。生徒たちからは「授業を聞くだけではなく、自分で発言をする機会が多いのがよかった」「仲間と切磋琢磨できる環境がよく、仲間と志気を上げられて力がついた」という感想が聞かれた。 この報告会では「受験は団体戦」という言葉が何度か繰り返される。保護者、そして、仲間と切磋琢磨しながら受験に挑んでいくという「団体戦」として、受験を乗り切るというのが四谷大塚の考え方のようだ。 また、桜蔭や開成に合格した生徒の保護者からも「勉強は100%四谷大塚さんに任せた」というコメントが複数あり、「頻繁に講師の先生と面談ができて安心感があった。ちょっと厳しい講師の先生方に助けられた」「母親の私が不安になってしまったとき、講師の先生にとりとめもない話を聞いていただいてありがたかった」というコメントが流れ、四谷大塚の面倒見のよさが垣間見える。
予習を通して「初見の問題を解く力」を養う
次に四谷大塚の学習や指導内容が具体的に紹介される。現在、大半の塾が予習をさせない「復習主義」を取っている。こちらの方が最初から正解を知ることができ、入試をクリアするトレーニングとしては効率的だともいわれる。しかし、四谷大塚はテキスト「予習シリーズ」の名前の通り、予習をすることを大切にしている。 自発的に学習をする姿勢、自立して勉強をする習慣を身につけることで、中学入学後、ひいては社会人になってから力にしてほしいと四谷大塚は願うからだ。 小学生が予習をすることはハードルが高い。まだ習っていないことを生徒ひとりでテキストを読んでいくことはなかなか困難である。しかし、「正解を教えてもらう前に、まずは自分で考える」という予習主義を取ることは、現在の中学入試で求められる「初見の問題を解く力」の育成には効果があるだろう。 四谷大塚の生徒はまず、予習をし、授業を受け、週テスト(毎週行われるテスト。一週間で学んだ内容を確認するもの)を受け、テストの見直しをする。テストを受けることで自分に足りない部分も把握でき、それを前提に次の週に向けて課題を立てていく。これを繰り返すことで、中学受験に必要な学力を身につけていく。 記事「四谷大塚の授業・講師・テキストの特徴は? 難関校から中堅校まで幅広く対応」でも解説しているように、テキストは「予習シリーズ」を使っている。非常にオーソドックスなテキストだ。 小学6年の夏休み前までは予習シリーズを使ってこれまでに学習した内容の総復習を行い、夏休みの間は弱点を克服し、9月以降は志望校別の対策に入っていくことになる。