「予習」を通して中学受験に必要な論理力や読解力を養う! 四谷大塚の中学入試報告会2024をレポート
理科や社会でも基礎的な知識を基にした思考力が求められる
次に理科は中野校舎の大川先生が解説をした。理科も難問や細かい知識を問うことは減り、基礎的な知識を基に思考力を問う問題が増えている。論理的な思考力で、提示されたデータの整理をしていく問題が目立つ。 その中には受験生が知らないデータでも、問題文をちゃんと読んでいけば解ける問題もあり、知識量よりも論理的な思考力を問う傾向が強まっている。正解にたどり着くまで手間がかかる問題も多く、やり遂げる力も求めていることが分かる。 2024年度は時事的なテーマでは関東大震災から100年ということで、地震に関する問題が多かった。また、身の回りの知識を問う問題もいくつも出た。女子学院ではトマトの切断図、栄光ではピーマンの切断図、大宮開成ではセロリの茎の切断図を扱った問題が出題された。 社会は渋谷校舎の後藤先生が担当した。時事問題では自然災害や水に関する問題が多かった。また、インボイスやジェンダー、Gサミット、地球沸騰などといったフレーズも目立った。 社会は知識を覚えることがまず大切で、それを基にして、問題を解いていく。そこでも思考力が求められるようになっているので、日頃から単純なことに「なぜ?」と思う力を鍛えることが大切だ。知識の中で似ているものを並べてみたり、真反対のものを並べてみたりし、抽象化のトレーニングも必要になってこよう。 また、社会は入試で小学4年のテキストに載っている内容が出ることがある。つまり、小学4年からの知識の積み重ねが大切になってくる。 最後に、生徒から保護者への感謝のメッセージ動画が放映された。二人三脚で中学受験を乗り越えた親子の絆が伝えられた。
四谷大塚の入試報告会に参加して
以上が四谷大塚の入試報告会のレポートである。老舗の大手塾らしく入試問題の分析が緻密にされており、その背後には豊富な過去の蓄積が感じられた。また、大学入試の問題と中学入試の問題を並べて解説することで、その連続性が見え、私立中学がなにを受験生に求めているかがよく分かった。 AIを導入した四谷大塚の学習の仕組みも理解でき、これから中学受験に挑む保護者にはためになる報告会であっただろう。
ダイヤモンド教育ラボ編集部