怖くて近寄りがたい→個性的で面白い町として人気急上昇! “名古屋一”ディープな町「今池」の歩き方
◆ミニシアター、独立系書店、喫茶にあんドーナツ
ミニシアターの「ナゴヤキネマ・ノイ」、哲学や歴史など人文系の書籍が充実している「ウニタ書店」の存在も、サブカルチャーの町・今池らしさの一端を担っています。 気になる上演作品と出会えれば映画鑑賞、本が見つかれば近くのカフェでしばし読みふけるのもよさそう。 周辺では名古屋の老舗喫茶「コンパル」の今池店、若者に大人気のグランド喫茶「シヤチル」、そして「コメダ珈琲店」がおすすめです。 また日中、一番にぎわいを見せているのが「中屋パン」。とりわけあんドーナツは一日に800個も売れるという大人気商品。常時揚げたてが店頭に並び、ほんのり温かさが残るうちに頬張ると、あんこの甘みもより深く感じられます。
◆個性派店主の店その1:ドラゴンズファンの聖地、中華料理「ピカイチ」
今池になじむには、個性派店主の店に足を運んでみるのも近道です。ドラゴンズファンの聖地とも呼ばれる中華料理店「ピカイチ」は、2代目の兵頭忠保さんがいつも満面の笑顔で出迎えてくれます。 「ドラゴンズファンじゃないと浮いてしまうんじゃ……?」なんて心配はご無用。「バンテリンドーム ナゴヤで試合があるのは年間60試合程度の上、うちは日曜日が定休日なので、野球のあるなしにかかわらずいかにお客さんに満足してもらうかが大事なんです」と兵頭さん。 ドームからはタクシーで10分ほど。ドラゴンズが勝利したときにはテンションの高いファンが押し寄せますが、それ以外のときはわいわいがやがや、ほどよくにぎやかといった感じ。 しかも兵頭さんファミリーを中心に家族で切り盛りするお店なので、アットホームで子ども連れでも利用しやすいのです。加えて料理も決して脂っこくはなく、家庭的かつ優しい味わい。純粋に中華料理店としておいしいので、半世紀以上にわたって地元で愛されているのです。
◆個性派店主の店その2:今池プロレス王者の居酒屋「きも善」
「きも善」は、プロレスラーの店主が焼き鳥を焼いてくれるという居酒屋。ケンさんこと2代目大将の田中兼二さんのもう1つの顔は、今池プロレス絶対王者・マグナム今池。今池プロレスは商店街が所有する全国でも他にないプロレス団体で、ケンさんはその代表でありチャンピオンなのです。 きも善は1960年創業の老舗で、炭火の香ばしい焼き鳥をはじめ、多彩なメニューと飾らない雰囲気で客足が絶えない人気店。一見コワモテですが実は優しいケンさんにお近づきになれば、今池を堂々と闊歩(かっぽ)する後ろ盾を得たような心強さを感じられる、かもしれません。 そして、この店のもう1つの人気商品が「今池ハードコア」Tシャツ。町のあちこちでポスターも見かける「今池ハードコア」とは“筋金入りの今池ファン”の意味。今池界わいではTシャツの着用率も高く、これを着ていれば初めて入る店でもすぐになじめること請け合いです(筆者も早速2025年バージョンをゲットしました!)。