なぜ富裕層ほど子どもの“お金教育”に悩むのか 元メガバンク支店長が教える「解決」と「感動」の対価の重要性とは
2025年になりました。お金のプランについて考える良いタイミング。今年も物価は上昇し、手取り収入も増えず、苦しい生活は続きそう。先行き不透明な時代を生き抜くために、元メガバンク支店長でお金の専門家・菅井敏之さんは、「お金に対するリテラシーを高めよ」と言います。大好評の短期集中連載「教えて! 菅井さん」第2弾の2回目は、「子どもに“お金力”をつける教育」について聞きました。 一生お宝になるかも!?【大型の高配当株30銘柄】はこちら! ――今回のテーマは「子どものお金教育」についてです。 富裕層の方と話しているとき、私がお子さんの話題を振ると、いきなり表情が曇ることがあります。富裕層の悩みって、資産運用の方法とか、相続税対策とか、そういうものばかりじゃない。何より一番の悩みは、子どもなんです。「結婚しないでずっと家にいる」「働かない」「離婚して家に戻ってきた」「ひきこもっている」……。思った以上にこうした悩みが多いのです。 ■ノートに記録 ――経済的に恵まれて居心地が良くて、何不自由ない生活を送っていたら、そういう思考になるのは自然なことかもしれません。 親が不動産など金融資産を多く持っていて不労所得で暮らしていると、勤労意欲のない(あるいは少ない)子どもが育つ傾向があるんです。もちろん、なかには、しっかりとお金の管理を教育する親御さんもいます。以前、田園調布で喫茶店を経営していたんですが、子どもがお小遣い帳をつける様子を優しいまなざしで見て話を聞いている親御さんを目にしたことがあります。すごくいい光景でした。アナログな方法ではありますが、ノートに記録することで、自分が使った分だけお金は減るということを頭と心でしっかり理解できるようになるんです。そういう作業を小さい頃からしていく。それを親が見守り、自立を促しながらお金の管理の仕方を教える。子どもが成長する過程で、非常に大切なお金の教育です。しかし残念ながら富裕層の多くが、十分にお金の教育ができていない印象です。