【府中便り】話題の「タイタン」帽子で登場!グラファール師が明かすセン馬になった理由とは?
「なぜ、セン馬?」 ゴリアット(セン4、F・グラファール)は今年、歴史ある英国のキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(通称キングジョージ)で“史上初めてのセン馬優勝馬”となりました。その後、仏G2コンセイユドパリ賞を制して、ジャパンC参戦に向けて来日しました。 20日の追い切り取材。7時20分ごろに姿を現したゴリアットは4角手前から時計回りに芝コースをおよそ半周し、7ハロンから併せ馬を行いました。鶏跛(けいは)と呼ばれる左後肢を上げて歩く、独特な歩様は確かに目につきますが、実に落ち着いている。「(去勢手術を受けた)セン馬=気性難」と思いがちですが、全くそんなことはありませんでした。 で、冒頭の疑問です。グラファール師に向けて、質問が飛びました。同師によると、ゴリアットがセン馬になったのは師が管理を始める前の、2歳時のこと。グラファール師は「当時の所有者がこの馬の鶏跛を見て、競走馬向きではない、競走馬としての資質を認めていなかったために、前の所有者が去勢の判断をしました。ただ、実際には競走馬として今、著しい成長を見せています。ご存じのようにキャンターをすれば、鶏跛は全く問題ない。確かにかなり遅い時点で競走馬として認められたというのはありますが、ジョッキー(スミヨン騎手)も認めているように、今年は一番成熟した時期を迎えているので、非常に信頼しています」と説明してくれました。 一時は将来性に大きな大きな疑問符がつきながら、今や欧州でも一目置かれる存在に成長しました。同馬のレーティングはジャパンC出走馬では最高の125ポンド(世界4位タイ)です。馬主の過激発言が注目を集めていますが、同馬の成長物語には夢が詰まっています。 グラファール師が被っていたゴリアットの帽子には、カタカナで「タイタン」の文字が…。3歳5月にデビュー後、早め抜け出しのレーススタイルを確立。全6勝を2200メートル以上の距離で挙げています。「来日してからはとても調子が良くて、チームとしても満足しています」と師。遅咲きの巨人が日本馬に襲いかかろうとしています。【松田直樹】