カー・オブ・ザ・イヤーの輸入車部門受賞! 最新「ミニ」(MINI)購入ガイド
■どのミニを選べばいい? 各モデルの特徴は ミニは多種多彩なラインアップが魅力だが、いろいろありすぎて、どれを選んだらいいか迷ってしまうという人もいるはず。ここからは簡潔に各モデルの特徴を紹介していこう。 最も身近な3ドアの1.5Lガソリンエンジン車は、ミニの原点を味わうのに最適だ。 そもそも、英国時代のミニは「廉価な庶民の足」というのが基本構想だった。原価低減のため、例えばサスペンションにバネはなく、ゴムのブッシュで振動を吸収し、乗り心地をまとめた。それが逆に「ゴーカート」のような俊敏な手応えの走り味を生み、安くて楽しいミニの象徴となった。 BMWの手によって再出発したミニも「ゴーカートフィーリング」を最大の持ち味とする。最新のミニでも、3ドアに乗ればその面白さが味わえるはずだ。 その上で、高速道路での移動が多く、加速にゆとりが欲しいのであれば、2.0Lエンジン車にしてはどうだろうか。 5ドアは前後にドアがある利便性が最大の利点。狭い駐車場などで隣のクルマや壁をあまり気にせず乗り降りできる使い勝手のよさが魅力だ。 カントリーマンは今日のSUV人気を受けた車種。4輪駆動も選べるので、未舗装路や雪道などの走りも重視するなら最適だろう。ディーゼルエンジン車を選べば、繊細なアクセル操作が求められる滑りやすい路面でも素早く的確に十分な力を発揮してくれるので、安心して移動できるのではないだろうか。 3ドアとカントリーマンではEVを選べるが、EV専用という点を意識するならエースマンだろう。ホイールアーチの加飾を含め、独特な存在感がある。 ミニのEVについて、ひとつ付け加えておきたい。 そもそもBMWは、EVの開発に乗り出す際、「メガシティ・ヴィークル」(大都市に最適なクルマ)の概念を打ち出し、ミニで試作車を作って世界各地を走らせ、商品性の検証を行ったという経緯がある。そこから生まれたのがBMW初のEV「i3」だった。そんな背景も踏まえると、ミニ3ドアのEVも相当に魅力的だと思う。 「とにかく壮快に走りたい!」と思うならジョン・クーパー・ワークスがいい。走りの追求に投じる100万円以上の差額に納得できる人向けだ。 どれにするか迷うほど車種が多い理由は、ミニが小型で多くの人の身近にあるクルマだからだ。それは英国ミニ時代からの伝統であり、老若男女を問わず、人々を魅了し続ける理由でもある。 ■ 御堀直嗣 みほりなおつぐ 1955年東京都出身。玉川大学工学部機械工学科を卒業後、「FL500」「FJ1600」などのレース参戦を経て、モータージャーナリストに。自動車の技術面から社会との関わりまで、幅広く執筆している。電気自動車の普及を考える市民団体「日本EVクラブ」副代表を務める。著書に「スバル デザイン」「マツダスカイアクティブエンジンの開発」など。
御堀直嗣