「NBAの笑いものからここまで築き上げてきた」。グリーンが語る王者のプライド「10年後に優勝しても、それは俺たちの功績だ」<DUNKSHOOT>
「俺たちはNBAの笑いものからここまで築き上げてきた。2年前、俺は(オーナーの)ジョー・レイコブに『この球団は俺たちのものなんだと理解すべきだと思う』と言った。別に彼ら(過去の所属選手たち)を侮辱するつもりはない。だけど俺はこのチームをここまで作り上げてきたことにプライドを持っている。ここが俺のホーム。俺にとっては(母校の)ミシガン州大のようなものなんだ。多くの連中がNBAでホームなんて持っちゃいない。この10年間、俺はこの組織とともに歩んできたんだ」 グリーンは相次ぐ出場停止処分やトラブルなどで厄介者のレッテルを貼られてきた過去がある。それでも、オフェンスではスクリーナーやプレーメーカー、ディフェンスでは幅広い守備範囲でアンカー役を務めるなど、4度の優勝を飾る過程で不可欠な役割をこなしてきた。 34歳のベテランはこれまで達成してきたことを誇らしく思いつつ、「俺はまだ終わっていないし、彼(カリー)もそう。『よし。もうキャリア終盤だから、カネを稼いでおこう』だなんてことはない。また優勝できるんだ」と口にし、こうも続けていた。 「だがまた優勝するためには、これまでのようにはいかないことを認識しなきゃいけない。このチームにそれができていないヤツがいるとは思っていない。今の俺たちは(チャンピオンシップチームを)作り上げるため、必要なピースをまとめようとしているのさ」 若手とベテランがブレンドされたロスターで今季に臨むウォリアーズ。スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)はグリーンの考えをこう捉えていた。 「どこだってチーム全体の雰囲気を作りたいものなんだ。チャンピオンシップを求めなければ失敗なんだとね。ただそれは現実的じゃない。我々にとっての現実は、自分たちには素晴らしい1年間を送り、好戦的かつタフでディフェンシブなチームになれるチャンスがあるということ。そうなるピースは揃っている」 開幕から連勝街道を驀進するか、現有ロスターがフィットせずに黒星先行へ陥るかは蓋を開けてみなければわからない。ただ、経験豊富なベテラン陣がチームの根幹を支えていることは、ウォリアーズにとって貴重な財産となっていることは間違いない。 文●秋山裕之(フリーライター)
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