JR中央・総武線「三鷹駅」には何がある? 実は太宰治ファンの聖地、常に文化が“新陳代謝”し続ける街
三鷹駅の一つお隣は、「住みたい街」ランキングの首都圏トップ常連の吉祥寺駅。それに比べて三鷹駅はどうにも地味で……といったイメージを持たれる人も少なくないかもしれません。 【写真を見る】太宰治はどこで“入水”した? 実際に三鷹駅を降りて散策してみると、長大な商店街に加えて、明治~昭和の文豪ゆかりのスポット、銭湯・サウナなど意外な見どころが盛りだくさんの街でした!
◆三鷹駅の基本情報:家賃相場はいくら?
JR三鷹駅は中央特快が停車するため、東の中野・新宿方向にも、西の国分寺・立川方向にも短時間で移動可能。しかもJR総武線および東京メトロ東西線の西側の始発駅でもあるため、時間をかければ千葉県の市川駅や西船橋駅にも電車一本でアクセス可能であるなど、東西の両方向に交通の便がいい駅です。 三鷹駅の家賃相場は駅徒歩10分以内、築年数10年以内でワンルームが約8.4万円、1LDKで約13.9万円、2LDKは約16.7万円(SUUMO、2024年10月22日確認)。中央線の新宿駅より2万円弱安く、立川駅よりは1.5万円ほど高めです。
◆三鷹駅の半分は、三鷹市でなく武蔵野市
三鷹駅の所在地は当然「三鷹市」……と思いきや、実は三鷹駅の北側半分は三鷹駅ではなく武蔵野市。ちょうど三鷹駅の真下を玉川上水が斜めに通っており、上水のラインがそのまま三鷹市/武蔵野市の境界線にもなっているため、駅が二つの市をまたいだ状態となっています。 現在の三鷹駅周辺に当たる地域は、1923年の関東大震災で被災者が移住してきたことにより人口が増加し、戦後も都心のベッドタウンとして発展していきました。また、駅南側(三鷹市側)は太宰治・山本有三・武者小路実篤といった作家・文化人が居を構えた「文士の街」としても知られています。
◆駅ナカ・南口デッキ上だけでも買い物スポットが充実
三鷹駅周辺を散策する前に、まずは駅ナカのショッピングモール「アトレヴィ三鷹」からご紹介。「アトレヴィ三鷹」は改札内の3階(改札階)と4階、改札外の1~5階に広がっており、なかなかに大掛かり。ここだけでも買い物が完結できそうな充実ぶりですが、三鷹駅でのショッピングはここからが本番です。 三鷹駅南口を出た先はペデストリアンデッキになっており、開放感があります。通路が駅周辺のさまざまな建物に接続しており、地上に降りる階段やエスカレーターも複数あるので、移動がとてもスムーズです。 駅南口から見て正面にあるのが「CORAL MITAKA(以下、三鷹コラル)」。地下1階~地上5階まである複合商業施設で、それぞれのフロアに「三鷹市場(地下1階のスーパーマーケット)」「おしゃれ通り(2階のファッション店舗)」など、コンセプトに応じた名前が付けられています。 また、5階は「三鷹市美術ギャラリー」になっており、芸術やサブカルチャーに関する展示が定期的に催されています。そのギャラリーと併設されているのが、「人間失格」「走れメロス」などで知られる小説家・太宰治の経歴を紹介する「太宰治展示室」。太宰が戦前の1939年から、玉川上水に入水して没する1948年まで暮らしていた自宅を再現した展示空間です。 「三鷹コラル」以外にも、駅南口のデッキにつながる店舗は複数あります。「オオゼキ三鷹店」は生鮮食品のボリュームやリーズナブルさで有名なスーパーマーケットで、おすすめの青果商品が屋外にまで並んでいます。「Trikona(トリコナ)」には「サンマルクカフェ」や「キャンドゥ」、郵便局などが入居しており、駅前でのちょっとした買い物や休憩に便利。 デッキ直結の店舗に加え、デッキ階段を降りたすぐ近くにもスーパーマーケット「三平ストア三鷹店」(100円ショップ「ワッツ」併設)が。「オオゼキ三鷹店」の真下にもドラッグストア「サンドラッグ」があります。