東京五輪のお台場会場の水質汚染と“トイレ臭”問題も海外に波紋…「排泄物の中を泳ぐ」「大腸菌濃度レベルが上昇」
オリンピックをレポートする「アラウンド・ザ・リング」も12日付で大会組織委員会が、「海水中の大腸菌はオリンピック競技基準をクリアしている」と発表していることを報じている。同メディアによると、東京都は、水中スクリーンを1重から3重に増やして実験を行い、3重のスクリーンでは、大腸菌群の量を目標値の範囲内に抑えることができたという。だが、昨年7月から8月にかけて行われた3重スクリーン検査の不安要素についてこう指摘した。 「3重スクリーンを使用した場合、スクリーンエリア内での(大腸菌の)検査結果はすべて範囲内だったが、スクリーンエリア外では、検査期間中に発生した台風などの様々な要因により、設定した目標値を超える結果が12日間続いた」 つまり公式発表では3重スクリーンには、大腸菌流入を抑える効果があったとされているものの、大雨が降るとその効果が期待できないという不安が残っているという。 また英BBCでは、カヌーやボートなどが開催される東京湾で牡蠣の付着が問題になっていると報じた。 東京湾に新設された「海の森水上競技場」では、波の跳ね返りを防ぐためのフロート装置を設置しているが、これに大量の牡蠣が付着しているのが見つかったという。東京都はこの対策に128万ドル(約1億4000万円)をすでに費やしているとしている。 水質改善の時間はもう残されていない。「アスリートファースト」が声高に謳われている大会で、選手たちは「トイレ臭」と「大腸菌に汚染される恐怖」と戦いながら競技に挑まねばならなくなった。