なぜ渋野日向子はQシリーズで20位に食い込み米ツアー出場権を獲得できたのか…逆境での勝負魂「最後まで攻めるゴルフ」
米国で行われていた米女子ゴルフの来季の出場資格を争う最終予選会(Qシリーズ)を渋野日向子(23、サントリー)が20位タイで突破した。12月2日から4日間、9日から4日間の計8日間144ホールに及んだ長丁場を、山あり谷ありの通算10アンダーでクリアして、45位までに与えられるツアーカードを獲得した。最終日の第8ラウンド(R)は3アンダーの69で回り、より多くの試合に出場できる目安となる20位以内にも辛うじて入ったとあって、重圧から解放されたホールアウト後は「最終日を迎えるのが怖かったけど、いい締め方はできたと思う。マジでよかった」としぶこスマイルが輝いた。 また古江彩佳(21、富士通)も3バーディー、1ボギーの70で回り通算18アンダーで7位に入り、来季の米ツアー出場権を獲得した。
大乱調からのV字回復「ドキドキしながら回っていた」
今年のQシリーズには8月9日時点の世界ランキング75位以内や2次予選会(Qスクール)を通過した選手ら110人が出場してアラバマ州で開催された。マグノリアグローブの2コースでの第1週の4R終了時点で70位タイまで(今回は74人)がスコアを持ち越して第2週の後半戦に進んだが、渋野は、最初の一歩で大きくつまずいた。第1Rは2オーバーの73で81位タイ発進。第2Rもイーブンパーの72と伸ばせず72位タイと浮上できなかった。 予選敗退もちらついた第3Rに66をマーク。この日のプレーが“合格”への流れをつくることになった。1番(パー4)をボギーでスタートする嫌な流れを3番(パー4)のバーディーで振り払い、8番(パー3)からは2連続バーディー。後半は4バーディーの32と伸ばし、通算4アンダーの25位タイに躍進。第4Rも2つ伸ばして順位も24位タイと、結果的には楽々と第一関門をクリアした。 第3R終了後には「ドキドキしながら回っていた。アンダーまで持ってこられてよかった」と話し、第4R後には「プレッシャーはめちゃくちゃあった」と安堵の笑み。 ハマれば爆発的なスコアを出せるのが渋野の大きな魅力の一つだが、悪い方にハマったときには、ショット以上にメンタルをコントロールできなくなる。これが最大の弱点ともいえる。 コースの難易度が上がったハイランドオークスGCで行われた後半戦の4日間もそうだった。第5Rは67、第6Rも69とスコアを伸ばし、順位も7位タイまで浮上。だが、楽勝ムードは第7Rで暗転した。2つのダブルボギーにボギーも4つ。バーディーはわずか1つの7オーバーの79。まさかの大乱調で通算7アンダーの29位タイまで後退した。