なぜ阪神はヤクルトに“無敵”を誇ったエース青柳でも勝てなかったのか…泥沼7連敗で5位転落
阪神が16日、神宮球場でのヤクルト戦に3-5で敗れ、7連敗。エース青柳晃洋を立てたが、自らの守備のミスもあり4回で4失点KO。8月の打率.103の佐藤輝明を75試合ぶりに4番から外して6番に下げ、ロハスジュニアを4番に置くなど打線を改造し9回に2点差まで迫ったが及ばなかった。再び借金「4」となり5位転落。3位巨人までのゲーム差「1」というCS出場争いの混戦を生き残るための正念場を迎えている。
ヤクルトは相性の悪い塩見、オスナ、山田をスタメンから外す
ヤクルトの高津監督は大胆に動いてきた。今季青柳に2戦2敗。それも2試合連続完封負けを喫している“天敵“を攻略するために、相性の悪い塩見、オスナ、山田の右打者3人をスタメンから外し、青木、元山で1、2番を組み、5番に宮本、7番にルーキーの丸山を入れ、左打者を6人打線に並べたのである。宮本、丸山の抜擢は機動力を使っての揺さぶりが目的だった。連敗ストップの責任を負うマウンドに上がった青柳は、その“罠“にはまった。 2回、先頭の村上を四球で歩かせると、続く宮本はバント。投手前の平凡なゴロだったが、青柳の一塁への送球がそれてしまう。チームとして10試合連続のエラーである。さらにヤクルトの揺さぶりが続く。一、二塁からの中村もピッチャー前へバントした。元々、守備時の送球に不安を持つ青柳は、ミスをしたことで攻める気持ちを失っていた。 打球に対して一歩足が前へ出てこない。一塁のロドリゲスが横から出てきて打球を処理して三塁へ送球したが、アウトにできなかった。 満塁となって、丸山をショートゴロに打ち取るが、併殺崩れの間に先制点を許す。これがヤクルトにとって対青柳に28イニングぶりの得点となった。 さらに一死一、三塁と続くチャンスに長岡がライト前にタイムリー。阪神と同じく打撃不振に苦しんでいたヤクルトは、実に59イニングぶりのタイムリーである。 3球アウトコースを攻めたあとのインサイドのストレートを引っ張られた。試合後に長岡は「丸山さんが何とか内野ゴロで1点を先制してくださったので楽な気持ちで入れた。三塁ランナーを返すためにいろいろと考えた」と振り返り、「大松コーチが対策を練ってくださり、それを実行できた。対策?秘密です」と続けた。 内か、外か。ヤクルトの左打者は、両サイドにボールを動かしてくる青柳の配球を読み、腹をくくってインコースのボールに対しては思い切って引っ張りにかかっていた。