注目が集まる<ゴールド投資>。25年弱で価格が9倍に…今後も値上がりは続くのか
2019年に大きな話題となった<老後2000万円問題>や昨今の経済不安から、「投資を始めたいけど、なんだか難しそう…」と考えている方も多いのではないでしょうか。そんななか「投資は『よくわからない、得体の知れないもの』だから不安なだけ。だったらそれを取り除けばいい。」と話すのは、投資の学び舎「トウシナビ」代表・櫻井かすみさん。そこで今回は、櫻井さんの著書『投資への不安や抵抗が面白いほど消える本: 投資詐欺被害、貯金ゼロ、無職、離婚ありの「お金超恐怖症」の貧乏ママだった私でも今は純資産1億に到達!』から「ゴールド投資」について解説します。 【グラフ】S&P500とゴールドの値動き * * * * * * * ◆ゴールドがこれからも値上がりしそうな理由 昨今、ゴールド(金<きん>)投資に注目が集まっています。 その証拠に国内のゴールドの価格は、2024年に過去最高値を更新しました。1gあたり1万円を超え、ここ25年弱で価格は9倍まで上がっています(下図)。 さらに、10年~20年後の長期的な視点で見ると、ゴールドの価格は今後も上昇し続ける可能性が高いともいわれています。 なぜゴールドは、そこまで値上がりしているのか。そして今後も成長が予測されているのか。 その秘密を、ゴールドだからこそ持つ5つの特徴から探っていくことにします。 【特徴 その1】埋蔵量に限りがある ゴールドは世界中でその価値が通用すると同時に、有限という特性を持つ資産でもあります。 既に採掘されているゴールドは19万トンほどで、まだ採掘されていない残りは5万トンほどと推測されています。 現在ゴールドは年間3000トンベースで採掘されていますが、このままのペースで採掘されると20年未満で枯渇するという計算になります(*参考:米国地質調査所〈USGS〉「Mineral Commodity Summaries2023」)
◆ゴールドの希少性とコスト 【特徴 その2】希少性が高い ゴールドは埋蔵量に限りのある資源であり、将来的には需要に供給が追いつかなくなる可能性があります。そこで、既に地上にあるゴールドを再利用するしかないともいわれるほど。 そうなれば、今よりも希少価値は高いものとなり、価格はますます高騰すると考えられます。 ゴールドは作れない、増えない、増やせない、採れないという制限があるがゆえの結果です。 【特徴 その3】採掘コストが高騰する可能性大 金を採掘するために、様々なコストがかかります。採掘の人件費、エネルギー代、鉱脈の探索費などです。 金の生産平均コスト(AISC)は2023年7月~9月時点で、新型コロナウイルス流行前に比べて39%上がり、四半期ベースで過去最高になったといわれています(『日本経済新聞』〈2024年2月28日〉より)。 しかも資源国でインフレが深刻化していることもあるため、これらの費用が今後も大幅に高騰することが危惧されているのです。