F1オランダGPの契約終了により、ローテーション開催でフランスかドイツにカレンダー復帰の道が開かれる可能性が浮上
2026年をもってF1オランダGPが開催を終了することが明らかになったが、F1は今後ヨーロッパでローテーションによるグランプリ開催を計画しており、フランスかドイツがカレンダーに復帰する道が開かれる可能性があるという。 【写真】2019年F1ドイツGP ホッケンハイム 2026年のF1オランダGPが、ザントフォールトで開催される最後のグランプリとなるという発表は、民間企業やサーキットがF1と契約を結ぶ余裕があった時代が、過去のものとなったことを示すもうひとつの兆候だ。最近では、F1のCEOであるステファノ・ドメニカリとリバティ・メディアは、政府または地方自治体とのみ取引を行うと主張している。彼らの財政的要求は、民間投資家にとって高すぎるものになってきているからだ。そのため、オランダGPのプロモーターが、レースを2026年のカレンダーに残すために1年間の延長に同意した後に離脱を決め、世界選手権への最後の参加をスプリントイベントの週末で終えることにしたのも不思議ではない。 オランダGPのディレクターを務めるロバート・ファン・オーバーダイクは公式声明のなかで、オランダGPは『SportVibes』、『TIGスポーツ』、およびザントフォールト・サーキットによる独自のコラボレーションの成果であることを思い起こさせた。そして、「我々は個人が所有し運営する企業であり、イベントの開催を継続することで得られる機会と、その他のリスクや責任とのバランスを取らなければならない」と明確に指摘し、「我々は2025年と2026年にさらに2回素晴らしいオランダGPを開催し、最高の状態で終えることを決定した」と締めくくった。 ここ数カ月間言及されているように、ザントフォールトはF1が隔年で使用する予定のサーキットのリストに含まれていた。ドメニカリによる、ヨーロッパでのグランプリのローテーション開催計画が具体化し始めており、遅くとも2027年までに実施される予定となっているからだ。候補に挙がっているサーキットは、スパ・フランコルシャン、バルセロナ、イモラの3つだが、ザントフォールトが離脱を希望しているため、プロモーターが2年に1度だけレースを開催することに同意すれば、フランスかドイツのどちらかがF1カレンダーに復帰する候補となる道が開かれる。 ザントフォールトで毎年グランプリを開催するために必要な投資額は非常に高額だ。プロモーターがサーキットを所有しておらず、サーキットにはグランプリを開催するのに十分な常設施設がない。しかし、F1と交わされた1年契約は延長が続いたため、いくつかの暫定的な構造物は年間を通じてそのまま残された。しかし、レースが隔年でしか開催されない場合、ザントフォールトは各グランプリの後に仮設構造物を撤去し、2年後に再び設置することを望むと思われ、そのためにプロモーターのコストは増加することになる。 その一方で、地方自治体と観光業界は、隔年で開催される定期的な収入源を失うことを快く思わず、10万人を超える人々をこの地域に呼び込むことができる代わりの、しかし定期的に開催される大規模イベントを探し始めた。こうした状況に、開催権料の高騰が加わったため、民間プロモーターにとって新たな契約を結ぶリスクが高くなりすぎて、グランプリの開催を中止する時期が来たと判断されるに至った。 この発表はスパ・フランコルシャンとベルギーGPのプロモーターにとって非常によいニュースだ。なぜなら、このレースはマックス・フェルスタッペンにとって母国レースに最も近いものとなる。この歴史あるサーキットのグランドスタンドは、今後も間違いなく何万人もの熱狂的なフェルスタッペンファンで埋め尽くされることになるからだ。 F1にとって、ヨーロッパで将来のローテーションシステムに参加する意志のあるサーキットやプロモーターを探す時期が来ている。ホッケンハイムはリストのトップに挙げられており、ポール・リカールとニース市の両方がフランスGPの復活を目指して争っている。 [オートスポーツweb 2024年12月15日]